依存症チェックリスト
あなたの大切な人は、もしかしたら依存症かも?
違法薬物や処方薬をやめられない、借金をしてまでもギャンブルや買い物をしてしまう、物を盗むことがやめられない、自傷行為や過食嘔吐が止まらない、性行動が逸脱してしまう、お酒をやめたいのにやめられない。
それは依存症という脳の病気の可能性があります。現段階では残念ながら、依存症は完治しないと言われています。ではどうすれば良いのでしょう。
あなたがやっていること、本当に本人のためになりますか?
依存症者の尻ぬぐいをしていませんか?一時を切り抜けるだけでは依存症はどんどん進行します。
- アルコール依存症の人の吐潟物や汚物をあなたが片付けたり、ベッドへ連れて行ったり、お酒を買い与えてしまう
- ギャンブル依存症の人の借金を肩代わりしたり、お金を貸してしまう
- もうやらない、これでやめるなどの言葉を信じてしまう
依存症者のご家族が(支える側が)できること、やれること
まず、依存症者の尻ぬぐいを一切やめて下さい。
いつかやめてくれるだろう、世間に自分の大切な人が依存症だと知られたくない、そんな想いから全てを背負っていませんか?
「あと1杯」、「あと1回」、「これで最後にする」、「もう二度としない」
これらの言葉を信じてはいけません。依存症という病気は依存行動のためならどんな嘘でもつきます。それを手に入れるためにあらゆる手段を使います。
あなたが大切な人を想って発言していることが、行動が、実は依存症を悪化させているかも知れないことに気付いてください。
こんなことも尻拭いになる?依存症を悪化させる具体例
アルコール依存の場合
- 吐瀉物の片付けをする
- 酔いつぶれた依存症者をベッドに連れて行く
- 身の回りの世話をやく
ギャンブル依存の場合
- 依存症者の借金の肩代わりをする
- 依存症者の言っていることが嘘かも知れないと思いながらも、お金を出し続けてしまう
- 身の回りの世話を焼く
クレプトマニア(窃盗症)の場合
- 捕まる度に身元引受人になっている、裁判の度に情状証人になっている
- 何かを盗んだことが分かっても、依存症者を注意できない
- 身の回りの世話を焼く
あなたが間違った支援を続ける限り、依存症は悪化します
あなたが間違った支援を続ける限り、依存症が良くなることはありませんし、むしろ悪化します。
間違った支援をやめ、本人に「底つき」を経験してもらいます。
その過程で、暴力を振るわれたり、家の中で暴れるなどの破壊行動を起こしたり、死んでやるなど自傷をほのめかすこともあると思います。支える側にできることは限られているので、忍耐強く見守る姿勢が重要です。
そんなこと言われたってすぐ実行に移せるわけがない
- だって家にゲロがあったら、こっちが生活できない
- 家族の責任を取るのは社会人として当たり前
- 警察沙汰になりたくない、もう捕まって欲しくない
これらは実際に、依存症者のご家族から多く寄せられる声です。
一時を切り抜けたところで、また依存行為に走るのが依存症者です。
依存症者の言いなりになったり、必要以上の世話を続ける限り、本人が回復することはありません。
「私がいないとこの人は生きていけない」、「この人を助けられるのは私しかいない」、こう思ったのなら、あなたは間違いなく共依存です。
- 前の晩にお酒を飲んで暴力を振るわれた、けれど次の日には泣いて謝られる、優しくされる
- 依存行動をしていないときは、自分にとって本当にいい人、普通の人
- 好きだから離れられない、離れたくない
共依存の人がいるから依存行動に浸れる
自分が依存行動をすることによって影響を受けてくれる人がいる。追い詰められたとき、そこから引き戻してくれる人がいる。だから安心して依存行動をすることができるのです。
私は、夫や母がいたから安心して薬・ギャンブル・窃盗に依存できました。彼らが私の尻拭いを必死でやってくれたから、安心して依存行動に走ることができたのです。
ではどうすればいいの!?
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まずはご家族が、依存症者の家族会に繋がる
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世間に知られることを恐れない
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役所・病院・自助グループへ依存症者を連れていく
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役所・病院・自助グループ利用の流れ、そこで起きることを事前に知っておく
役所に助けを求める勇気を持ってください。警察が来ることも覚悟してください。
依存症専門の病院へ連れていく勇気を持ってください。逮捕されることも覚悟してください。
依存症は”完治しない”脳の病気です。でも回復を続けることはできます。
今日一日飲まない、賭けない、やらないを積み重ねること、それが回復です。
完治しないんだから治療したってしょうがない、治らないんだから仕方ない、それは依存症者の都合の良い言い訳に過ぎません。
世間に知られてしまうことを恐れない覚悟を持つ
- 隠せば隠すほど、依存症も共依存も悪化します
- 隠されることで、依存症者本人がさらに卑屈になります
どうせ私は世間から隠されるような存在ですよ……となりがちです。
病院や自助グループに連れていく
窃盗症 赤城高原ホスピタル
全国の精神保健福祉センター一覧はこちら
依存症者本人が回復を目指す自助グループ
依存症者の家族・友人・関係者のための自助グループ
役所・病院・自助グループの利用の流れやそこで起きることも事前に知っておく
自分は病気なんかじゃない・自助グループにどんな人達がいるのがわからない・何をやるのかわからない・ちょっと宗教っぽく感じて怖い、これは私のもとに寄せられる声で、実は私も同じように思っていました。
オンライン相談では、皆さんのお話を伺いながら下記のようなこともお伝えしています。
- 自助グループを利用するメリットと注意点
- 行くのが嫌になるよくあるパターン
- スリップしたあと自助グループへ行かなくなる、行きにくくなる
行かなくなると、さらに依存が深まるという悪循環
誰にも相談できない、話をする気になれない
依存症が進行すると孤独になり、相談相手もいなくなって、本当に自分のことを想ってくれる人を自ら遠ざけてしまいます。厳しい人こそ、あなたにとって大切で必要な人です。それに気付くためにまず自分を理解しましょう。
依存症は完治しないけど、回復することはできます。今日一日飲まない、賭けない、やらないを積み重ねていくこと、それが回復です。
気付くとそこは刑務所
依存症者もその周囲の人も、ここに書かれていることをすぐ実行できるような人ではありません。だからこのHPに辿り着いたのだと思います。
私は元受刑者で依存症当事者でもあります。虐待とネグレクトを受けて育ち、母は毒親です。高校のころから援助交際で稼ぎ、ろくに学校に行かず学歴は高卒。卒業後は水商売で働き、ヤクザやお金持ちの愛人になりました。
プロフィールにあるように、薬物依存・クレプトマニア(窃盗症)・処方薬依存・ギャンブル依存・自傷行為……多くの依存を経験してきました。そして、次第に依存症がどんどん悪化し、とうとう吉原のソープランドで働くようになりました。そして気がついたら、刑務所にいました。湯浅静香(依存症子)のプロフィール詳細はこちら
多くの経験してきた私だから、お話しできることがある
このような経験は、今の私にとってマイナスではなくプラスの出来事です。こんな経験をしてきた“私にしか”できないことがある。“私だから”できることがあると思っています。



