その差入れ、本人の更生に本当に必要ですか?

あなたの大切な人はなぜ刑務所へ行くことになったのでしょう。「犯罪を犯したから。」もちろんそうなのですが、“何故”犯罪を犯すに至ったのでしょう?

必要なのは「甘やかさない支援」

私が刑務所の中で見てきた受刑者は、例えば虐待を受けて育った、片親だった、放置子だった、両親が依存症だったetc…家庭環境が悪い人が圧倒的に多かったです。
「機能不全の家庭」で育った人が犯罪を犯す確率は、高いように感じます。どのような幼少期を過ごし大人になったか、大人になってどのように過ごし今に至ったかを、受刑者自らが見つめ直す必要があります。
生まれつき根っからの極悪人なんていません。後天的な理由があって、あなたの大切な人は刑務所にいるのです。

刑務所に入るに至った根本理由を改善しなければ、また刑務所に戻ることになります。
受刑者が刑務所にいる間に、その理由を見つけられるように、支える側が「甘やかさない支援」をすることが大切です。それでは、甘やかさない支援とはどのようなものなのでしょうか。

甘やかすことと支援することは全く違う

中にいる受刑者の言いなりに差入れをしたり、面会に行ったり、手紙を送るのは絶対にやめてください。
その理由は「外で待っててくれる人がいる」、「言うことを聞いてくれる人がいる」という安堵感や甘えから、反省することをしなかったり、ただ受刑期間が過ぎるのを待つだけになってしまうことが多いからです。

受刑者家族が(支える側)ができること

  • 受刑者の言いなりに差入れはしない
  • 娯楽よりも自省に時間を使うように伝える
  • 差し入れるとしても依存症の回復につながるもの、更生に役立つものにする
    例えば依存症の本、偉人の伝記、私のブログなども印刷して差入れできます。

「早く帰ってきてね」、「必ず待ってるよ」という言葉が、本人の更生を妨げる

大切な家族に対して、手紙や面会などで「早く帰ってきてね」、「待ってるよ」と伝えたくなってしまうものです。「罪を償い終わったら、家族としてあたたかく迎え入れてあげたい」という思いがあって当然です。しかし、受刑者にとっては受け取り方が全く異なります。

  • このまま受刑期間をやり過ごせば、自分が変わらなくても受け入れてくれる場所があると思ってしまう
  • 誰かが待っていてくれる安心感があるので、何で刑務所に来ることになったのかを深堀して考えない
  • 待っててもらって当然、むしろ今の自分のままで、受刑前と変わらない生活ができると思い込む

つまり、家族としては良かれと思った声掛けが、本人の更生を妨げる「甘やかした支援」となってしまうのです。私自身、もし夫が甘やかした支援をしていたら変わることは出来なかったと断言できます。体験についてブログにまとめてありますので、よかったらご覧になってください。
ブログ記事:手紙と面会が多い受刑者ほど……

甘やかさない支援として家族ができること

  • あなたが刑務所に居るのは自業自得だとはっきりきっぱり伝え続ける
  • 過ごしにくく辛い環境も自分の犯した罪の代償であり、辛抱するように伝える
  • 出所後を見据え、自分の足で立つ、自分を律することが出来る「自立」と「自律」が出来る人になってもらう
  • 刑務所の中でも自分のお金や報奨金で必要なものを購入ができます。あまりにも要望が多ければ「報奨金が貯まったら自分で買いなさい!」と突き放すことも大切です。

このように、時には非常に厳しく突き放すことが必要なのですが、やり過ぎると家族に見捨てられたと思い込み、自暴自棄になることがあります。この匙加減が非常に難しいというご相談を多く受けます。
うちの場合はどうなんだろう……とお悩みの方、ご相談を承ります。

 

 

 

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