Column

立川拘置所

コラム

前回のブログでは、私の手紙をちゃんと読み解く心の余裕が、夫になかったということを書きました。

初めての公判で私の弁護をしてくださったY先生が面会に来てくれました。Y先生の名前が書いてある紙を刑務官に見せられます。「この方が面会に来ていますが会いますか?」

もちろん会いますと即答しました。
Y先生は国選弁護人でしたが、国選にもかかわらずとても親身に話を聞いてくださいました。
実刑判決が下った公判の傍聴に来てくれたり、本の差し入れをしてくれたり、Y先生には本当にお世話になりました。面会と公判に来て下さったお礼を伝えます。

これを機に自分を見つめなおして、頑張ってと励ましをいただきます。

面会から4日後、立川拘置所へ移送されます。
立川拘置所はそれまで居た拘置所とは比べものにならない、現代的な建物でした。とてもきれいでセキュリティも強固です。

驚いたのは食事の美味しさです。
拘置所初の食事は冷えて固まったうどんでした。それを泣きながらかじって食べましたが、立川では温かいものが出て、なおかつ美味しいということにとても感動しました。

薬は就寝前に3錠出されます。何の睡眠薬だったか分かりませんが、効きが弱くて夜中に何度も目が覚めました。

作業は移送翌日から早速始まります。
立川拘置所での作業はレジ袋にチラシを入れるというものでした。とある大きな企業のレジ袋で、生命保険や資格取得のチラシを入れます。検品が厳しいので、穴が開いたり破れると注意されます。適当な作業はできません。

立川拘置所に移送されて、初めての運動がありました。
矯正施設での運動とは、雨以外の日に屋外で自由に体を動かせる時間のことを言います。立川拘置所には庭がないので、フェンスに囲まれた屋上で運動をします。

運動と一口に言っても何でもできるわけではなく、動ける範囲で円を描くようにぐるぐる歩き回るだけです。このときに他の受刑者の体に触れてはいけません。

屋上に上がるまであれだけ静かだったのに、先生の「運動はじめ」の声とともに一気にうるさくなったことにびっくりしてしまいました。
それまでの拘置所は運動に出ても3人でしたが、立川では同時に30人ほどが一斉にしゃべり始めます。その迫力に驚いてしまったのです。

話の内容が嫌でも耳に入ってしまいます。
そしてその内容は、自分の彼氏や旦那がヤクザだ犯罪者だ、何回目の受刑だ、罪名は何だ、そういうくだらないものです。

運動以外は会話ができないので、みんなここぞとばかりに喋り始めます。

本当にとんでもない所に来ちゃったんだな……。改めてそう思いました。

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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