Column

多くの受刑者を見てきた刑務官の言葉

受刑者

前回のブログでは、向精神薬の服用をしている人の特徴と、ベゲタミンという薬で私の人生が狂ったことを書きました。

今日は立川拘置所に服役していたころに話を戻します。立川拘置所の女区の作業は4つありました。
・受刑者の食事の配膳や衣類の補綴、材料を配ったりする衛生係(4人)
・紙袋を作る工場(8人)
・紙袋を作る通役(4人)
・居室でチラシ入れ(?人)

刑務所では1工場につき1人の刑務官が担当します。女区では刑務官のことを先生と呼びます。

立川拘置所はあくまで拘置所です。一時的に受刑者を留め置く場所なので、女区の場合は衛生係以外の受刑者は全員刑務所へ移送されます。私は居室内でチラシ入れをする作業から通役になり、その後工場へ配役されています。

刑事施設では報奨金の確認をするときに指印を押します。
このころの私の1ヶ月の報奨金、1563円。刑務所とは無縁の人に報奨金の話をしたことがありますが、もっと貰えると思ってたと言われたことがあります(笑)

長く受刑している人はそれなりに等工が上がるので、これよりは多く貰えるはずです。

報奨金の確認をして指印を押す際に、「何かある?」と聞いてくれるのが工場の先生でした。
このころの私は、衛生係などの経理係を目指すと決めていました。1日も早く「類」と「種」を上げて電話面会をしたいと思っていたからです。

衛生になりたいんですがどうやったらなれますか?と先生に聞きました。先生は驚いた顔というか、意表を突かれたような顔をして「衛生になりたいんだぁ……」と言いました。

何かおかしなことを言ってしまったのかと思いましたが、先生は少し考えてから話をしてくれました。書き出していきます。

・刑務所にいることで受刑者は世間から守られている、このことを忘れるな
・外であなたの帰りを待っている家族が、あなたのせいで色々なことを言われていることも忘れるな
・チャラついているようじゃ衛生係なんてなれない
・ここにいる時間を無駄にしないように

この時に先生が驚いたような顔をした理由ですが、衛生なんてキツい作業に自ら志願する人がいるんだ、という意味だったんじゃないかなと思います。経理係は結構な力仕事&重労働です。健康な人じゃないと務まりません。

先生からのアドバイスをしっかりノートに書き留めます。

私は刑務官に本当に恵まれていたと思います。
累犯からは意地の悪い先生もいると聞いていましたが、私が接した刑務官にはそんな人は居ませんでした。

刑事施設の刑務官は、どんな受刑者にも区別することなく同じように接しているはずです。
累犯は受刑するたびに同じことを何回も聞かされるので、意地が悪いという印象になってしまうんじゃないかと思います。

私は初めての受刑生活だからこそ、先生からの話にしっかり聞く耳を持って、たくさんのことを吸収できたのだと思います。

他人の意見に耳を傾けるのは、どんな世界にいても大切なことです。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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