前回のブログでは私の母について詳しく書きました。
刑務所を出所してから、細々と盆栽を育てていると以前のブログに書きましたが、植物が成長するには土台がとても大切です。盆栽も花も、しっかりとした土に程よい栄養と適度な水分を与えればどんどん成長します。
肥料と水を与え過ぎると枯れてしまいます。
木や花によって肥料も水の与え方も、置く場所も変わります。
これは人にも同じことが言えて、幼少期の生育環境という土台がとても大切なのです。私はこの生育環境という土台が良くありませんでした。
幼いころから親戚の家をたらい回しにされ、小学生のころからパチンコ屋や雀荘に連れて行かれ、常に母の怒りに怯え顔色を窺い、それを不憫に思う父からはお金や物がたくさん与えられ、途中で物事を投げ出したり諦めてもだれも咎める人がいない。
依存症子という人間の土台は、両親のおかしな育て方によって作られました。
・嫌なことから逃げる
・物事を投げ出す
・すぐに諦める
・努力をしない
・一つのことをコツコツと続けたり積み上げることができない
両親の育て方がおかしかったから、上記のことが苦手な大人になってしまいました。
苦手だと気付いていながら、直そうとしなかったのは私自身です。
両親の育て方は確かにおかしかったけれど、ここで考え違いをしてはいけないのは、“両親が原因で私が依存症になったり刑務所へ行くことになった”わけではないということです。
両親の育て方が“要因の一つ”で私は依存症になり、刑務所へ行くことになったのです。
依存症者のご家族に対する医師や臨床心理士のアドバイスは、「原因究明より今後のことを考えましょう」というものが主流だと思います。その理由には以下のようなことがあるからです。
・家族が原因を取り除こうと努力しても、依存症者が依存行動を止めなければ問題は解決しない
・家族が今後どのような対応をしていくのかを考える
まず依存症者本人に「底つき」を経験させることが回復への絶対条件です。私にとっての底つきは刑務所へ行ったことになりますね。
依存症者が底つき状態になると、以下のように考えるようになります。私で例えます。
・何でこうなっちゃったんだろう
・どうして(依存行動を)止められないんだろう
・私がこうなってしまったのは親のせいなんじゃないか?
・やめたいのにやめられない
・どうすればいいのか分からない
・意志が弱いと言い続けられると、自分がとことんダメ人間に思えてくる
↑こうなったときに、ご家族にとてつもない怒りが向けられるかも知れません。
お前のせいで俺は(私は)こうなった!と暴力を振るわれたり、暴言を浴びせられることもあるかと思います。
ここで依存症者のご家族の皆さんに、考えて頂きたい事があります。
あなたはどのように息子さん、娘さんを育ててきましたか?
土台作りのお手伝いを、親としてしっかり果たせていましたか?
ご家族の育て方が全て間違っていたとは言いませんが、私は自身の経験から両親の影響はとても大きいと思っています。
「原因究明よりも今後のことを」、これはその通りなんですが、過去から逃げずに真摯に息子さん、娘さんに向き合って欲しいと思います。
過去から逃げずに真摯に向き合うとはどういうことか?
・息子や娘が警察に突き出される覚悟を持つ
・助けずに放っておく
・金銭的な支援を一切しない
・会社をクビになっても助けない
・要求を撥ね退ける
・依存症者が自力で立ち上がったときに支援をする
少なからず、ご家族がおかしな接し方・育て方をしてしまったことが“要因”で今の息子さんや娘さんが存在しているのです。そこから目を逸らしてはいけません。
どうしてうちの息子は(娘は)こうなってしまったんだろう?と悲観的になっても、後悔しても、依存症はこれっぽっちも回復しません。
依存症の子どもを回復へ導く覚悟を、強く持ってください。
依存症で苦しむ皆さん、皆さんは少なからずご両親に怒りが向くことがあると思います。皆さんが依存症になった“要因の一つ”にご両親の教育や育て方があったのは間違いありません。
私は刑務所で自分を見つめなおしました。
子供のころ○○だったから今の自分が○○になったんだ、○○だからこんな行動を取るようになったんだ、ということがたくさんあるはずです。
今も依存行動への衝動が止まらないという人は、ぜひ自分の人生を見直してみてください。自分の人生を振り返ることは、今後必ず役に立ちます。
回復するヒントは過去にあります。
私の学歴は高卒、水商売や風俗で働き、お金持ちやヤクザの愛人生活を送り全身に刺青が入っています。薬物依存症、向精神薬はお菓子のようにパクパク食べる生活を20年送り、クレプトマニア(窃盗症)、ギャンブル依存症で借金は1500万まで膨れ上がり、整形と自傷行為と買い物が止まらず、向精神薬で自殺未遂をし、窃盗を繰り返しとうとう刑務所へ行くことになりました。
そんな私でも、弱点を見つけ出し改善することはできるのです。
こうしてブログを定期的に更新し続けられるのです。(昔だったら絶対に無理です)
こんな私が回復できているんです。皆さんにも必ずできます。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。