前回のブログでは、依存症になる要因は生育環境に大きく左右されるということを書きました。
昨日はギャマノンに参加されている依存症者のご家族お二人と、アルコール依存症当事者の方のお話を聞いてきました。新たな発見や気付きを得ることができたので、その内容をブログに書いていきます。
ギャマノンって何?と思う方もいらっしゃると思いますので、ここで自助グループについて説明します。
依存症は完治しない病気で、投薬治療で治るようなものでは決してありません。(進行具合によって向精神薬や抗酒剤を使うこともあります。)
依存症者と支える側、お互いに前を向くことが回復です。同じ境遇の人の経験や体験を分かち合うことで新たな気付きを得て、改善し、自らの人生を切り開いていく。その場を提供してくれたりお手伝いしてくれるのが自助グループです。
依存症者本人が通うものと、依存症者の家族や友人が通うものがあります。
はっきり言いますが、自助グループへ通ったからと言って必ず回復するものではありません。最終的には本人次第です。
依存症者を無理矢理自助グループに連れて行ったとしても、通い続けることは難しいでしょう。本人が心から依存行動をやめたいと思ったときに、初めて聞く耳を持てるのです。
支える側のご家族を無理矢理自助グループへ連れて行っても、同じく通い続けることはしないでしょう。自分の大切な人が依存症だということを受け入れ、根性論や刑罰で何とかなる問題ではないこと、一生付き合っていかなければならない病気であることを知る必要があります。
ギャンブル依存症者の家族・友人のための自助グループ、ギャマノン(GN)からいらしたお二人は男性と女性で、男性は息子さん、女性はご主人がギャンブル依存症です。
お二人の話を聞いて胸が痛みました。
私も依存行動が激しいころ、母に手をあげたり金品を盗んだことがあるからです。そしてお二人から、ハッとさせられるお話を聞くことができました。
男性が初めてギャマノンに行ったとき「あなたも一緒に回復しましょう」と言われ、「なんで自分が回復しなくちゃいけないんだ!」と思ったそうです。
そりゃそうですよね。依存行動をしているのは男性ではなく息子さんです。
ですが男性はすぐに、自分が病的に共依存に囚われていること、息子さんに引っ張られていたことに気付いたと言います。
「あなたも一緒に回復しましょう」とご家族が言われることは、なかなか受け入れられるものではないと依存症者の私は思います。
だって男性は決して悪いことをしているわけではなく、息子さんのためを思って借金を返し、世話を焼き、何とかしようと奮闘しているのです。
それが実は依存症者には“良くないこと”で、自分が共依存に陥っていたという事実を突きつけられるのですから……。
依存症者は自分の弱さや現実をなかなか受け入れられませんが、ご家族は依存症者以上に受け入れられないだろうなと思いました。
RDデイケアセンターからいらした男性はアルコール依存症で、始めはアルコホーリクス・アノニマス(AA)に繋がったそうです。
AAが合わなくて今のRDデイケアセンターに繋がったそうですが、その理由が依存症者の私にはとても良く理解できたのです。男性はこう言いました。「AAに居る間は自分の意志とは関係なく酒を止めることができる、でもそこから出るとあっという間に戻ってしまうからです。」
これを聞いたとき、そう!そうなんです!って声を出したくなったほどです。
刑務所では累犯といって、出所後5年以内に刑務所へ戻る人が本当に多いのです。
刑務所に居る間は、薬物も飲酒も窃盗も性的逸脱行動も、どれもやりたくても出来ません。強制的に出来ない状況にさせられています。受刑中に何もせず何も考えず、ただだらだらと刑期を過ごし出所した人は、累犯となりまた刑務所へ舞い戻ります。
2017年の検挙者のうち再犯者は10万4774人、再犯率は48.7%で検挙者のおよそ2人に1人が再犯者である計算です。(東洋経済オンラインより)
これは自助グループでも同じことが言えて、何も考えずただ参加しているだけではいずれスリップするんです。
先のことに囚われるより、目の前のことを着実にこなしていくことで見えてくるものがあるのです。気付くことがあるのです。
自分の弱点を見つめるのは本当に辛いです。
逃げたいし投げ出したい、戻れるなら依存行動を知る以前に戻りたい。そんなことを考えても戻れないんです。時間は進むんです。
依存症からの回復とは“本人がこの先の人生をどう生きるか”だと私は思っています。
最後に自助グループの名称を紹介して終わります。
他にもたくさんのグループがあると思いますが、代表的なものを挙げています。読み方が分からなかったりしますよね(笑)
依存症者本人が回復を目指す自助グループ
↓
アルコール→AA(アルコホーリクス・アノニマス)
ギャンブル→GA(ギャンブラーズ・アノニマス)
薬物→NA(ナルコティクス・アノニマス)
窃盗→KA(クレプトマニア・アノニマス)
不倫・性風俗通い・性的犯罪行動→SA(セクサホーリクス・アノニマス)
セックス依存症・性依存症→SCA(セクシュアル・コンパルシブズ・アノニマス)
拒食症・過食症→NABA(日本アノレキシア・ブリミア・アソシエーション)
過食・過食嘔吐・拒食・下剤乱用→OA(オーバーイーターズ・アノニマス)
脅迫的買い物・浪費・借金依存→DA(デターズ・アノニマス)
ひきこもり状態にある人→HA(ひきこもりアノニマス)
依存症者の家族・友人・関係者のための自助グループ
↓
アルコール→AN(アラノン・Al-Anon)
ギャンブル→GN(ギャマノン・Gam-Anon)
薬物→NN(ナラノン・Nar-Anon)
性的な問題行動→SA(エサノン・S-Anon)
摂食障害→やどかり(NABA事務所)
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。