前回のブログでは他人に過度な期待をしないことと、人と比べるのことはやめて、過去の自分と比較しようということを書きました。
私は18歳からずっと向精神薬を飲み続け、刑務所へ服役したことをきっかけに、38歳でやっと断薬することができました。
改めて簡単に書きますが、私は18歳から向精神薬、覚せい剤などの違法薬物、ギャンブル、自傷行為、窃盗に依存してきました。
この中でも私が一番怖いと思っているのは、向精神薬への依存です。
このブログを読んでくださる向精神薬を服用している皆さん、向精神薬に対して“医師が処方しているから大丈夫”と安易に考えないでください。
刑務所へ行くことになった罪名は窃盗ですが、向精神薬を飲んでいなかったら窃盗で逮捕されることはなかったかもと最近は考えます。
このブログを通して、私が刑務所へ服役する要因となった向精神薬の危険性も、皆さんにお伝えできればと思います。
つい最近のニュースでは水虫の薬に睡眠導入剤成分が混入し、それを飲んだ方が事故を起こしたり、意識を失うといった事件がありました。
2017年にはお笑い芸人が睡眠薬を飲んだ直後に運転して、道交法違反で書類送検された事件もありました。
私は若いころから高級車が大好きで、夜の仕事や愛人生活で金銭的な余裕があったときにはドイツ車を所有していました。しょっちゅう事故を起こしては車両保険を使っていました。そんなことをしていれば等級は下がる一方で、一時は入れる保険が無かったほどです。
なんでそんなに事故を起こすのかと不思議に思いますよね。当時の私も不思議に思っていました。
結論から言うと、向精神薬の飲みすぎで危険な運転をしていたからです。ですがあのころの私は全く気付いていませんでした。
自転車で急に飛び出してきた男性に大声で怒鳴られカッとして、猛スピードで後を追いかけたりしたこともあります。とにかくモラルもマナーもあったもんじゃない、そんな運転をしていました。あんなおかしな状態で車を運転して、人身事故を起こさなかったのが奇跡だと思います。
向精神薬の飲みすぎで私にどんなことが起こっていたかを書いていきます。
言っていることの筋が通らない
毎回言うことが変わる
喜怒哀楽が激しい
やたらと攻撃的
記憶が飛ぶ
話す内容は支離滅裂
嘘をつく(本人は嘘をついている自覚無し)
とっさの判断ができない
ろれつが回らない
言葉が出てこない
こうして書き出すとろくな人間じゃありませんよね。酷いものです。
以前のブログにも書きましたが、私は向精神薬を否定するつもりはありません。
私自身も精神障がい者手帳を持っていた時期があるから、薬に頼らざるを得ない人がたくさんいることは理解しています。
今の私は向精神薬に頼らなくても、こうして楽しく元気に生きています。普通の生活が送れています。
依存症と向精神薬は切っても切れないというか…、依存症治療の初期に向精神薬を使うことがあります。自傷行為などで心療内科へ行けば、とりあえず心が安定するお薬を出しておきますね、というのが良い例ですね。
私は20年間向精神薬を飲んできた自身の経験から、向精神薬は自らの“考える力”を奪っていく薬だと思っています。
「飲まないと不安な気持ちが無くならない」、「飲まないと会社・学校に行けない」「飲めば楽になる」、このような思考はもはや覚せい剤常習者(薬物常習者)と同じです。
絶対にやめることは出来ないだろうと思っていた向精神薬を、一時的ではありますが栃木刑務所で断薬することに成功します。
刑務所という犯罪者しかいない場所で、20年間も依存し続けた向精神薬をやめないと、自分の人生が終わるということに気付きます。
なぜ刑務所まで落ちないと気付かないんだという話ですが、私のように本当に痛い目を見ないと気付かない人間もいるのです。
向精神薬が抜けて思考がクリアになり、刑務所で他の受刑者を観察します。
観察すればするほど自分との共通点がたくさん見つかるのです。
そしてその共通点が多い人ほど、累犯として刑務所へ舞い戻っている事実に恐怖を感じました。
立川拘置所と栃木刑務所で私がお話をさせてもらった受刑者のうち、約2/3は向精神薬を飲んでいました。飲んでいない人の方が少ないです。
向精神薬を飲むことで精神が安定するなら、犯罪など犯さないと思うのです……。
受刑者に向精神薬を飲んでいる人が多いというのは、紛れもない事実です。
向精神薬を飲んでいるから犯罪者になるということではありませんが、飲んでいない人より確率は上がるだろうと私は考察しています。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。

