Column

仮釈中の受刑者の焦り

拘置所・刑務所

前回のブログでは、面会や手紙が多い受刑者はあまり反省をしていない人が多いということを書きました。

今日は仮釈放中や出所直後に陥りがちなことを書いていきます。
私は執行猶予中に再犯を犯しているので、1刑と2刑合わせて実刑2年、未決拘留を引いて1年11ヶ月の懲役でした。

↑これは私が矯正施設に居たことを証明する在所証明です。
模範囚でしたので仮釈放を約7ヶ月も貰えました。刑期の約1/4ですね。

仮釈放後の私はとても焦っていました。
「刑務所に居た時間を早く取り戻したい」、「早く夫に自分を認めてもらいたい」、そう考えない日はありませんでした。

私は刑務所で自分を見つめ、自分がすぐに物事を投げ出して諦めてしまう人間だということに気付いています。ですので仮釈放中はそんなことは絶対にするもんか、そんなことをしていたら間違いなく累犯になってしまうと思っていました。

あの頃の私の焦りが夫にはどう見えていたか、改めて聞いてみました。

諦めないように投げ出さないように、俺に認められようと頑張っていたと夫は言います。
それと同時に、肩に力が入り過ぎて結果をすぐに出そうとしていたようです。
良い意味で妥協をせず、自分に対しても夫に対しても完璧主義でした。

そんなときにAさんが出所し、連絡を取り合うようになります。
Aさんは自分の息子を児童相談所から早く引き取りたい、その焦りと想いが空回りして挫折し、結果また刑務所へ戻ることになります。

AさんとAさんのお父さんの行動を客観的に見ることができた私は、焦りが一番良くないということに気付きます。

Aさんのお父さんは今度こそちゃんとしてもらいたい、更生してもらいたい、母親としてしっかりしてもらいたいと願います。ですがAさんには「ちゃんとする」こと、「母親としてしっかりする」ことの意味が理解できません。

Aさんの頭が悪いの?と思う方がいらっしゃるかも知れませんが、そうではありません。

Aさんに問題が降りかかったとき、お父さんがお金“だけ”の尻拭いをして、Aさんが痛い目を見ることはありませんでした。そうすることでAさんがどうなったか……?

起こった問題に対して反省することもせず、トラブルを回避したり解決する能力が備わらない人間に成長してしまいました。これはAさんの今後の人生にとても大きな障壁になると思います。

Aさん→「ちゃんとする」=「次は失敗しない」
お父さん→「ちゃんとしてほしい」=「低賃金でもコツコツ働く」

この考え方のズレが2人の確執と溝を深めていきます。そしてAさんが心から変わろう、人生を変えたいと思わないと、2人は決して交わることは無いと思います。

水商売や風俗、愛人生活などで短時間に大金を手にしたことがある人は、「何とかなる」、「どうにでもなる」といった根拠のない金銭管理や感覚に陥りがちです。
私もこのように考えていた時期があるので、Aさんの気持ちはとても良く分かります。

焦ってはいけない、すぐに結果が出るなんてことはあり得ない、一つのことをコツコツ続けることが一番の近道なんだということを、二人を見ていて強く感じたのです。

だから私は焦る気持ちを必死で抑えました。
刑務所で自分を見つめた時間は決して無駄ではなかった、そしてこのことは必ず今後の自分の役に立つはず。

そう信じて過ごしてきたから、少しずつ行動し実行してきたから、今の依存症子が存在します。

焦りがおかしな方向へ向かうと、再犯を犯す確率が跳ね上がります。

どうせ自分なんて…と悲観的になる
仮釈放中だなんて誰にも知られたくない
家族の想いに応えられない、あるいは反発する
自分が受刑者だったことを知られたくない

こういった想いから、自分の過去を知っている昔の仲間に自ら近付いていきます。引っ張られていきます。

その仲間がきちんと更生していれば、更生に向かって努力をしている人ならばいい影響を受けますが、残念ながらそうではない場合が非常に多いです。

仮釈中も出所後も、断固とした流されない強い意志が必要です。
「私は自分に悪い影響を与える人間とは付き合わない、近付かない」

仮に家族が自分の受刑歴や過去を責めてきても、それは自業自得です。
そんなに責めるなよ、私は(俺は)一生懸命やってるんだよ!そう思うことも多々あるでしょう。

相手を変えたいなら、まず自分が変わる努力を。

失った信用を取り戻すには、コツコツと毎日の行動で積み上げ、示していくしかないのです。

私が見てきた限り、刑務所に居る人はこのコツコツ積み上げるのが苦手だったり、すぐ楽な道へ進もうとする傾向があるように思います。

私自身も楽な道へ逃げてきた結果、自分の首を絞め刑務所へ行くことになってしまった1人です。

 

この場をお借りして、資格試験が無事に終了したことをご報告します。今までの人生でこんなに努力したのは初めてです。この1ヶ月は1日に最低6時間の練習と勉強をしてきました。ですのでツイートの通り、不合格だったとしても後悔はありません。また挑戦すればいいのですから!

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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