Column

警察24時を観る度に思うこと

性依存

前回のブログでは、仮釈放中や出所後の焦りは禁物だということを書きました。

民放キー局では年に数回、警察24時系の番組が放送されます。私は昔からこういった番組が好きで、タイミングが合えば必ず観ていました。

薬物で逮捕される人に対して「ガンギマリのときに外に出るなんて頭悪すぎ!」と小馬鹿にしながら観ていました。(ガンギマリ→薬物が体内に入っている状態のこと)

自分が刑務所へ行くことになるなんて、あのころは全く想像していなかったからです。

出所後も時間が合えばこれ系の番組は観てしまいますが、昔とは視点が全く違います。以前のブログでも書きましたが、立ち位置が変われば思うことや考えることは変化します。

今の私があの番組を観て思うのは、逮捕された人たちがこれからどうなるかということです。

彼らがこれから行くことになる刑務所のこと
彼らに居るであろう残された家族のこと
今後再犯することなく立ち直ることができるか
彼らの生い立ちや犯罪を犯すまでの経緯

上記のようなことが頭をよぎります。あの系統の番組を観る度に複雑な気持ちになるのです。

私は多くの依存症を併発していて、向精神薬、違法薬物、ギャンブル、窃盗、買い物、自傷行為と多岐にわたります。この中で犯罪なのは違法薬物と窃盗です。

依存症の方やそのご家族には、「自分はギャンブルだけだし違法なモノに依存していないから大丈夫」とか「私の子どもはお酒だけだから大丈夫」いう考えだけはしないで頂きたいと思います。

なぜなら、依存症の人は犯罪者になる確率がそうでない人と比べて高いからです。

具体例としていくつか挙げます。

・アルコールの場合は、同居する家族に対し肉体的や精神的なDVをする場合があります。
・ギャンブルの場合も同じくDVや、借金苦から詐欺の受け子など簡単にお金が手に入る犯罪に安易に手を出してしまう場合があります。

そして実際に私が陥った処方薬や向精神薬への依存ですが、「自分ではないもう一人の自分」が犯罪を犯す可能性があります。

向精神薬の飲み過ぎで記憶を失います。服用している錠数は睡眠薬と精神安定剤で毎日30錠以上です。

そんなときに他人を傷付けている、約束をしている、物を盗むようになる。

薬が抜けたときにどうなるでしょうか……?

友人や知人から突然「症子とは今後もう付き合えない」と言われたり、距離を置かれたりします。当然です。薬を飲んで気が大きくなっている私は、暴言を吐いてその人たちを散々傷付けてきたのだから。

働いている店のスタッフやお客さん、先輩や友人から叱責されます。
薬の飲み過ぎで約束した内容を覚えていないから、結局嘘をついたことになってしまうのです。

物を盗むことに快感を得た私は、毎日のように窃盗をしに出かけます。
何度も警察に捕まり、それでも向精神薬への依存も窃盗も止められず、結果刑務所へ行くことになりました。

自分がやったことだと信じられないようなことがたくさんありました。
全く自分の好みではない洋服やバッグを「依存さんが盗んだ物はこれですね?」と警察署の取調室で見せられたとき。
母や夫に保険金を掛けて死ねと言ったり、退職金を前借しろと言われたと夫から聞いたとき。
部屋の中に見たことのない服や物があるのに気付いたとき。

“自分ではないもう一人の自分が犯罪を犯す可能性がある”と書きましたが、それは向精神薬のせいだと責任転嫁をして逃げているのではなく、実際に発言したり行動を起こしているのは自分ですが、その記憶が無いことがどれだけ恐ろしいかということなんです。

警察24時を観ても、自分には縁のない別世界の話だと思う人が大半だと思いますが、ちょっとしたきっかけで誰でもあちら側に行く可能性がある、私はそう思います。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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