前回のブログでは、警察24時系の番組を観る度に思うことを書きました。
今日は職親プロジェクトについて書いていきます。
刑務所には職親プロジェクトといって、比較的軽微な犯罪で服役している受刑者に、就職先を紹介してくれる制度があります。
私の仮釈放が近づき、内掃工場担当の先生から職親プロジェクトについて説明を受け、求人票を見せられます。応募できるのは初犯のみ、殺人・詐欺・薬物・放火・性犯罪の受刑者は対象外です。
職親プロジェクトで就職するには条件があり、住み込みで働かなくてはなりません。
対象になる受刑者がかなり限られますが、窃盗で初犯の私は対象だったということです。(※今現在は対象の範囲が変わっている可能性があります。男区と女区でも違いがあるかも知れません。)
求人票を見ることができるのは、作業の休憩時間だけなので、1週間ほどかけて真剣に内容を見ます。女性の求人はごく少数、男性の求人は建設関係や飲食店がほとんどでした。
私はこの職親プロジェクトにお世話になることはありませんでしたが、元受刑者を雇ってくれる企業があることに驚き、感動したのを覚えています。
昨年(2020年)4月のことです。フジテレビのザ・ノンフィクションを観ていた私に聞き覚えのあるワードが飛び込んできます。
職親プロジェクト!?出所してからこの言葉を聞くなんて……!
4月5日と12日の2週にわたって、北洋建設の小沢輝真社長が出演されました。
↓この方が小沢輝真さんです
北洋建設は1973年に創業以来、500人もの受刑者を雇用してきました。初代社長は小澤政洋さんで、輝真さんのお父様です。
輝真さんは進行性の難病である脊髄小脳変性症を発症していて、余命宣告を受けています。お父様である政洋さんも同じ病気で亡くなっています。
小澤さんは信念を持って受刑者を雇用し続けています。
私はその姿勢にとても感銘を受け、少しでも力になることが出来ればと思いこの本を新書で購入しました。(この本の売上の一部が元受刑者の就労支援の活動費に使用されます。)
元受刑者だと知った上で雇用する、それは簡単なことではありません。
私がこれまでのブログで書いてきたように、刑務所まで来てしまう人は一つのことをコツコツと続けることが苦手だったり、逃げ癖や物事を投げ出す癖がある人がとても多いです。
元受刑者を雇えば、何か問題を起こしたり飛んだり(辞めて逃げ出す)する人が必ず出てきます。その確率は普通の人を雇うよりも跳ね上がるでしょう。
『何より元受刑者の社員たちが、更生して社会に根を張っていく姿を間近で見ることができる自分は幸せだ』と小澤さんは著書で仰っています。
例え裏切られたとしても、諦めず雇用を続けている小澤さんを心から尊敬しています。
私は栃木刑務所でこの職親プロジェクトを知ったとき、女性受刑者を受け入れてくれる企業が少ないことが残念でなりませんでした。
そして出所後に漠然と、元受刑者や受刑者の力になりたい、昔の私のように依存症で苦しんでいる人、その家族や友人の力になることはできないだろうか…?そう思い始めます。
一昨年の夏から資格取得に向けて動き出し、昨年の4月にザ・ノンフィクションで小澤さんの活動を知り、5月からこのブログを始めています。
今までも何度か書いていますが、私の目標は法務省で受刑者に向けて講話をすることです。
そのために資格を取得し、起業します。そしていつか、元女子受刑者を雇用したいと考えています。
何年先になるか分かりません。
私にできること、私に“しか”できないことを、これからも続けていきます。
日本財団職親プロジェクトのホームページはこちらです↓
職親プロジェクトの設立趣旨を一部抜粋します。
↓
ひとりをみんなで支える
刑務所出所者、少年院出院者一人ひとりの更生を参加企業みんなで支える、そして参加企業が抱えた課題や解決を参加企業や専門家みんなで考え、議論し、互いに支え合う。
日本財団職親プロジェクトは、参加企業、法務省、矯正施設、専門家など、様々なメンバーで、再チャレンジできる社会、犯罪被害に悲しまない社会を目指しています。
犯罪は許されることではありません。しかし再犯を防がない限り、犯罪被害で悲しむ方はなくなりません。
そして、一度罪を犯した者は、本当に気持ちを改め、罪を犯さぬよう社会復帰しようと望んでも、社会の厳しい目や反発などが原因で、叶わないのが日本の現状です。
それは、刑務所出所者や少年院出院者が幾度と犯罪を重ねる悪循環に繋がります。
その悪循環は、大きくなればなるほど犯罪の被害に悲しむ人が増えることに他ならず、日本が安心・安全な国になるためには、再犯を防ぐことは欠かせません。
過去は変えられないが、未来は変えられる。
日本財団職親プロジェクトは、再び罪を犯すことを防ぐため、また犯罪で悲しむ方を増やさないため、「就労」、「教育」、「住居」、「仲間づくり」の視点で刑務所出所者、少年院出院者の社会復帰を応援していきます。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。
