Column

依存症子が出所後に取った資格 #2

コラム

前回のブログではネイリスト検定1級、ジェルネイル検定上級、アロマテラピー検定1級を取得したと書きました。

ネイルモデルをお願したのは、栃木刑務所の静思寮で一緒だったNさんです。Nさんに対して私は不信感を持つようになりました。今日はその理由と、合格の経緯を順序だてて書いて行きます。

時間を守らない

モデルを元受刑者にお願いするということで、夫が不安にならないよう、昼食を食べながらNさんを夫に紹介することにしました。

場所と時間を決めてお店の予約をし、Nさんには事前に伝えてOKをもらい、当日待ち合わせ場所で夫と待ちます。

この日、Nさんは15分ほど遅れて来ました。

Nさんは家に来るとき、時間ぴったりに来たことがありませんでした。そういう人なんだと割り切っていましたが、さすがに夫もいてお店も予約しているし、まさか遅れて来るわけないよねと思っていたんです。

ラインで「遅れます」の一言があっても良さそうですが、何もありません。そしてこの日は電車の遅延もありませんでした。

このときに、まず小さな違和感を感じました。

報酬を支払い、ケア用品も渡します

モデルを受けてもらうにあたって、練習のときにこちらまで出向いてもらう交通費、ネイルモデル当日の報酬を支払うという「契約」をしました。正式に書面で交わしたわけではありませんので口約束ですが、約束は約束です。

Nさんの爪を綺麗に保ってもらうために、保湿オイル、手袋を渡して、使い方を教えます。

モデルになる人には、爪を折ったり欠けたりされると本当に困るのです。3本以上リペアしてあると(長さを出したり補修してあると)減点からのスタートとなってしまうからです。

3級試験日3日前

3級は余程の失敗をしない限り合格します。公表されている合格率も80%以上です。結果から言うと、無事に合格できました。

Nさんは試験直前に、爪にヒビが入ったとラインしてきました。私は不安になりましたが、日常生活を送っているんだから、折ることはある程度仕方ないよねと思っていました。ネイルスクールでリペアをしてもらいます。

それにしてもNさんは爪を折ったり、欠けさせることが多かった。

正直、私はそれにとても腹が立ちました。「あれだけケア用品を渡しているのに何で折るの?ケアしてないんじゃないの?」そう思ったのが第2の違和感です。

どんどん見えてくるNさんの嫌な部分

3級とジェルネイル初級は無事に合格できました。次は3ヶ月後に2級と中級です。

Nさんへの不信感が膨らみながら、他にモデルがいないからと言う理由で、またNさんにモデルをお願いをします。

彼女は快く受けてくれました。受けてくれたことに関しては、不信感とは別問題ですので、感謝しています。

2級と中級の練習日の連絡をします。「〇日の〇時からどう?返事待ってまーす」みたいな軽い感じでラインをします。

でも、ラインの返信が非常に遅いのです。彼女は電車移動が多く、休みは週2回だと言っていました。1日既読が付かないこともありました。

私は昼職の忙しさをそれなりに理解していたつもりです。すぐに返信しろなんて我儘は言いません。人の行動パターンは十人十色です。

ですが……せめて24時間に1回は、嫌でもスマホを見ると思うんですよ。仕事でも使っている訳ですし。

スマホを見る暇がないほど忙しいんだ、初めはそう思っていました。でもある日一緒に電車に乗っているとき、前の席でスマホゲームをやっていたのを見たのです。

「なんだ。ゲームやる暇あるなら返信できんだろ」、そう思ってしまいました。これが第3の違和感です。

2級と中級は、見事に落ちました

そんな不信感を持っているNさんをモデルにして、良い結果が出るわけがないのです。

悪いことは重なるもので、彼女は2級の試験前日に、また爪を折りました。折れた連絡をラインでもらったとき、「こいつ…前回に引き続きマジかよ」と怒りが押し寄せてきて、もう今回の試験はダメだと思いました。

試験に臨むという挑戦を、高校受験と運転免許の取得しか経験していない依存症子。何かに必死で打ち込んで、練習して、頑張ったことなど一度もないわけです。

試験に対して耐性がある人は少ないかも知れませんが、「症子ちゃん、本当に申し訳ないけど爪折れちゃった」と言われて、冷静でいることができませんでした。

そして彼女は試験中に居眠りしてしまいました。

ネイリストはお客様の手を見ながら(下を見ながら)施術をしますが、頭が動いているのは視界にちゃんと入るのです。寝られないように手を強く握ったりしても、頭が上下しています。こっくりこっくりってやつです。

私はもう、平常心ではいられませんでした。

合格発表が過ぎて

試験結果が分かって、私は落ちた報告をNさんにしました。

そのとき精一杯強がって、良い人ぶって、「Nちゃんのせいじゃないよ!」とラインを送りました。

でも、腹の中では「おめぇのせいで落ちたんだよ!」と思っていました。

Nさんは謝ってくれました。その気持ち自体は受け取りますし、彼女もそれなりに責任を感じていると感じました。

私からすれば報酬を払っている以上、しっかりしてほしかった。でも彼女はアトリックスのCMに出るような、ハンドモデルではありません。私も報酬を払うなら、もっとしっかり爪の管理をできる人に依頼すれば良かったのです。

私は落ちたあと、しばらく落ち込んでいました。ウジウジしていました。そんな私を見て夫はこう言いました。

「Nさんを選んだのは症子。症子の見る目が無かった、イコール実力不足。早く切り替えて次に進みなさい」

人のせいにするのは簡単

ブログを週2回書きながらネイリスト試験に臨んでいた私ですが、2級と中級に落ちて、初めて見えてきたものがありました。

私は落ちたことを、全てNさんのせいにしていました。でも本当にそうだったのかな?立ち止まって考えてみたのです。

仮にNさんの爪が完璧だったとして、私の技術は合格点に届いていたのだろうか?

いや、届いていない。私は2級と中級を甘く見ていたのです。

私の中でNさんへの不信感が大きくなり、彼女の手を無意識のうちに“乱暴”に扱っていたことに気付いたのです。

試験官は見ています。モデルは将来のお客様。そのお客様の手を乱暴に扱う受験者を、ネイリストとして合格させるわけがないんです。

私は初心に戻って練習をしました。何で落ちたのか徹底的に見直しました。そしてネイルスクールに、2級と中級のモデルさんを紹介してほしいとお願いしました。

Nさんをモデルとして使い続けても、絶対に合格できないと思ったからです。

実力不足が補えてNさんをモデルにしても、精神面で追い込まれるのが目に見えていました。また折るんじゃないの?という不安が、私の受験の妨げになると気付いたのです。

今後Nさんには、私から関わることはありません

もしかしたら、このブログをNさんは読んでいるかも知れません。それを覚悟の上で書いています。

私は依存症当事者、依存症者や受刑者家族の支援をしたい、そのことに一生を費やしていく、それが私のやりたいことであり、更生でもあるとNさんには伝えていました。

同じ刑務所に居たのです。分からないことがあったら聞いてもいい?とか、気付いたことがあればアドバイスが欲しいとお願いすると、「何か力になれることがあれば嬉しいよ」と言ってくれていました。

これは去年の6月26日の、私とNさんの最後のラインのやり取りです。左がNさん、右が私。

このライン以降、私からコンタクトは取っていません。

今年の頭にNさんから年賀状が届きました。ブログの事には一切触れておらず、元気ですか?という内容でした。

私はイラっとしました。「ブログについては一切触れないんだぁ」と。

私はラインに、「暇なときに見てくれればいいよ!」と書いています。嫌味な言い方をしますが、Nさんは2020年6月26日から2021年1月まで、暇な時間は一切無かったの?と小一時間問いたいくらい。(笑)

過去の記憶が思い出されます。電車の中でスマホゲームやる時間はあっても、ラインの返信はしない人だったよね。6ヶ月間で仕事の休みは何回あったんでしょうね。そんなことを考えてしまったのです。

大人の人間関係について考えました

ここまで読んでくださった皆さん、私がNさんの悪口を書いている、そう思われるでしょう。あくまでも私の価値観で、ここまでNさんへの思いを書いています。

もしかしたらNさんには他意はなく、ブログのことも忘れているだけかもしれません。

中には24時間どころか、36時間スマホを見ない、と言う人もいるでしょう。

私が今日のブログで何を伝えたいかと言うと、自分がイライラしてしまうような人と、無理に合わせて付き合って行く必要は無い、ということです。

Twitterでも、無理に相互フォローにならなくたっていい。合わないならフォローを外せばいいし、見たくないならミュートにすればいい。

もう子どもじゃないんです。無理をして相手に合わせて、この人に嫌われたくないとか、とりあえずこの仲間の中にいれば安心とか、そんな小さなことを気にするのは、中高の思春期までだと思います。

自分がイライラしたり落ち込むくらいなら、切った方がいい人もいる。勇気を出して人間関係の断捨離をするのも必要なんだと、この一件から学びました。

自分のことを真剣に考えてくれて、怒ってくれたり苦言を呈する人を大切にしていく。

信頼関係を築くと、人間関係が円滑になります。そうすると人生がより楽しく、生きやすくなると私は思います。

次回は2級から1級までのことを書いて行きます。

産業カウンセラー養成講座、終了しました!

試験は来年の1月です。それに向けて座学の勉強開始です。

私は受講者皆さんの連絡先を、全員聞き出すことに成功しました。一ヶ月後にまた皆さんで集まってセッションの練習をすべく、貸会議室の予約に奔走しています。(笑)

かけがえのない仲間とこの講座で会えたことを、心から感謝しています。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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