Column

汚い世界 #2

毒親、毒母

前回のブログでは、母の不倫に巻き込まれたこと、脳神経外科の医師と援助交際をしたと書きました。

高校生でキャバクラのビラ配りを始め、次々とオッサンに声を掛けられるようになります。

相手は酔っ払いだったり、ナンパだったり、援助交際目的だったり様々です。今思えばこのバイトは「適当に男をあしらう訓練」になりました。

 

キャバクラに「就職」

 

高校生活は遅刻と早退ばかりでした。あの出席日数でよく卒業させてくれたと思います。

高校2年と3年の担任だった田村先生に(たむじぃと呼んでいました)、「静香!お前は出席日数が足りな過ぎて就職先はないから、自分で探せ!」と告知されます。

マジ?まぁいいや。適当に探そう。

するとビラ配りをしていたお店の店長、「静香どうせ就職先ないんだろ?だったら決まるまでうちで働けば?」

 

渡りに船とはこのこと。私はビラ配りをしていたR店で働くことになりました。

 

入店当時は全く売れなかった

 

キャバクラでは新人はポンポンと場内指名が取れ、そこから本指名に繋がっていきます。

ところが私は、3ヶ月経っても場内も本指名も取れませんでした。

 

当時18歳。高校から付き合っている彼氏がいたものの、18歳年上の男性と二股交際を始めます。

36歳と18歳、かなりの年齢差。今考えれば彼は若干ロリコンだったのかも知れません。

 

この男性は土建屋の2代目で、とても大きな家にお母さまと2人で住んでいました。

家はデカすぎて迷路のよう、付き合い初めは家の中で迷子になるほど。家具は全てカッシーナ、クローゼットを見れば上から下まで、ハイブランドの洋服や靴ばかり。

私の19歳の誕生日には、ロレックスの時計をプレゼントするような男性です。

 

18歳の小娘が、彼の財力や人脈のお陰で、良いモノに触れ、良いモノを食べ、良いモノを身に着け、良い社交場に連れて行ってもらうことが出来ました。

これが「要因」の1つとなり、他人の財力や人脈を自分の力と勘違いするようになっていきます。

 

普通の18歳じゃ出来ないような経験

 

普通の18歳ができないような、経験や体験をさせてもらいました。

この男性が、私を「売れる女」にしてくれました。

こういうものを身に着けなさい、着なさい、所作はこうしなさい、立ち居振る舞いはこうしなさい、年賀状や暑中見舞いを出しなさい。

他にもたくさんありますが、彼は「夜の女性である静香」をブランディングしてくれました。

ロレックスを買って貰えたから、つい持ち物や服も買ってくれるかと思いきや……そこはちゃんと自分の給料で買いなさい、という人でした。

 

ここから私は一気に駆け上がり、ナンバーワンになります。

 

私を支えたお客様

 

プリティウーマンのリチャード・ギアような男性とはお別れし、ナンバーワンの地位をを支えてくださったお客様は、

医師
製薬会社
悪徳リフォーム
闇金
ヤクザ

の方々でした。悪徳リフォームと闇金の人たちは当時、本当に羽振りが良かったです。

 

悪徳リフォーム、皆さんご存知ですか?一時期ニュースでも散々取り上げられました。

そのお客様の会社では、深夜2時ごろ、社員に命じて他人の家の屋根に上り瓦を壊し、次の日に何食わぬ顔をして訪問、「お宅の屋根ヤバいですよ!」と、高額なリフォーム料金を請求する。

立派な器物損壊と詐欺。犯罪ですよね。

 

こーんないい加減なことをしても捕まらないんだ。会社の経営が出来るんだ。

汚ねぇ。

 

医者を気持ち悪いほど持ち上げる製薬会社

 

今はあり得ないのかも知れませんが、医者を製薬会社が接待するのは当たり前でした。

今の第〇〇共が、第〇製薬と〇共製薬だった時代です。外資がブイブイ言わせていました。フ〇イザーです。

 

特に〇共のお客様には個人的にも良くしていただき、頭が痛いと言うとすぐに○○ソニンを2シートはくれました。

医師の処方箋が必要な風邪薬や抗生物質を、タダで貰うなんてしょっちゅうでした。

会社の経費でどんちゃん騒ぎ、アフターで焼き肉屋に行っても、その人たちは身銭を切ることは一切ありません。

 

私にとって医師と製薬会社は上客中の上客でした。医師の指名を取ることが出来れば、製薬会社が自動的についてくるからです。

 

大病院で立場のある医師を、何社かの製薬会社で接待したことがありました。

このときは医師のお客様とキャスト3人、製薬会社の営業マン3人、計7人でクルージングディナーに行きました。

ストレスからか、あの医師もまたアルコール依存症だったと思います。飲み方が尋常ではなかった。

 

なーんだ。製薬会社の接待の良し悪しで、病院で処方する薬を決めるんだ。患者のためとか、副作用が少ない薬を選ぶとかじゃないんだ。

 

汚ねぇ。

 

警察とヤクザ

 

私はヤクザの愛人になりました。

彼は普段飲みに来てもうるさいことを言わないのですが、珍しく「大事な人を接待するから明日は女をたくさん付けてくれ」、と言いました。

どんな立場の人を連れてくるんだろうと思ったら、同業者と思われる強面の男性を連れて来ました。

 

私はてっきりヤクザだと思ったのですが、話をしている内容がヤクザじゃない。

「この人誰なの?」と聞くと、小声で「マル暴だよ」と言いました。

 

マル暴とは組織犯罪対策部、4課のことです。主に暴力団が事件を起こしたとき、捜査をするのがマル暴です。

彼はデリヘルを経営していました。デリヘルで働く女性を泥酔した警察官にあてがい、深夜のラブホテル街に消えていきました。

 

「警察とヤクザって仲いいの?」と聞くと、「マル暴から情報を流してもらうこともあるし、こっちが情報を渡すこともある。持ちつ持たれつだな。」

 

へぇ。市民の味方も、裏でヤクザと繋がってるのね。

汚ねぇ。

 

いつの間にか自分も汚ねぇ大人

 

この方たちのお陰で、私はお店で売上を上げ、ナンバーワンで居続けることが出来ました。

売上げを上げてくれるお客様たちに感謝の思いを持ちながら、社会の仕組みに対する疑問、矛盾を抱えながら日々接客をします。

 

前回のブログの母の不倫から始まり、大人が使う本音と建て前、社会的立場があっても女子高生を金で買う大人、仲良くしているなんて一般人は全く知らない組織同士の繋がり、どんな手段でも金さえ稼げればいいという人たち。

 

そんな大人たちを心のどこか蔑みながら、自分の利益・収入のために援助交際をしたり、仕事をしている自分。

自分も「汚い大人」になることが、出世や高収入に繋がると解釈するようになっていきます。

 

 

孤独になって初めて気付く

 

自分には何もなくて、本当にちっぽけだと気付いたのは、受刑してからです。

 

え!?それまで気付かなかったの!?馬鹿じゃないの?そう思う方が大多数だと思いますが、私は自分に苦言を呈する人間を徹底的に遠ざけてきました。

 

うるさい!私には私のやり方がある!口を挟まないで!でも知りたいことは教えろ!

なんとも自分勝手ですね(苦笑)
これでは人脈の「じ」、信用の「し」の字もありゃしない。そうして私は、

 

誰からも見向きをされなくなり、孤独になり初めて、自分の置かれている状況に気付いたのです。

 

 

どうもありがとう

 

今の私は、湯浅静香を形作る過去を、全てを受け止め腹落ちさせています。

汚い大人を利用したのは私自身。そして私も汚い大人になった。

世の中の仕組みを若いうちに知ってしまったことは、良くなかった。でも今は、知ることが出来て良かったと思っています。

 

現在は、刑務所に行ったことに心から感謝しています。

嘘でしょ?刑務所まで落ちて感謝なんて出来るわけがない、綺麗ごとを言うな!そう思う方もいらっしゃるでしょう。

 

・刑務所に行かなかったら、私は死んでいました。
・立川拘置所で、進藤さんの講話を聞くことが出来ました。
・受刑中、刑務所の教育に大きな疑問を持ったことが、碧の森を運営するきっかけとなりました。
好き放題に生きてきたツケは、受刑歴という消えない形で残っています。消えることは無く、一生残り続けます。

 

でもそれ以上の価値あるモノや、たくさんの良いご縁を、今の私は手に入れていると思っています。

 

次回、11月4日のブログはお休みさせていただきます。

11月11日から再開しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

信田さよ子さんのオンライン講座

 

 

依存症と言えば信田さよ子さん!新著の「タフラブ 絆を手放す生き方」のオンライン講座です。

依存症者のご家族、受刑者のご家族、ご自身が過干渉・または毒親かも……?と少しでも思われている方はぜひ参加してみてください。

 

おでんは美味しい!

 

 

進藤さんと沼田牧師、記者さんと進藤さんの息子さんと一緒に、王子のおでん屋さんで飲みました。(私はウーロン茶がぶ飲み)

受刑中、進藤さんと“不寛容な世の中”を語り合えるなんて、想像出来ませんでした。

 

良縁を掴むも、放すも、自分なんですよ。

 

盆栽教室

 

 

私の趣味、盆栽です。杉盆栽の剪定をしました。

1,2枚目はbefore、
3、4枚目はafterです。

植物の力強さ、感じてください。

 

沼田牧師、進藤さんとスペースを開催しました!

 

 

私の過去をお話ししています。

母のことを語る部分で泣いてしまいましたが、それもまたご愛嬌。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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