Column

受刑者との文通で思うこと #1

毒親、毒母

前回のブログではお金を貸してくださいとDMが届くこと、Twitterのリツイートは慎重にした方が良いと書きました。

近年、詐欺の手口は非常に巧妙化しています。自分が「加害者」にならないように気を付けて行きたいです。

 

盆暮れ正月、受刑者はヒマ

 

受刑者と手紙のやり取りをしていますが、年内最後の手紙を一昨日出して来ました。

盆暮れ正月の刑務所はとてもヒマです。と言っても、お休みでも受刑者のお世話をする係は(炊上・衛生係・内掃)作業があります。

それ以外の受刑者は長期のお休みですから、読書、勉強以外やることがありません。

 

私が服役していたとき、年末年始に何をしていたか振り返りました。依存症の勉強と宮部みゆきさん、雫井脩介さん、京極夏彦さんの本を読んでいたことを思い出しました。

懐かしいです。今では本をゆっくり読む時間が取れません。

正確には「本を読む時間を捻出する努力をしない」、ですね。

 

手紙に綴られているのは「後悔」、「不安」、「葛藤」、「恐怖」

 

私と手紙のやり取りをしている方は、更生の意欲がとても高いと思います。手紙には後悔の言葉が綴られてます。

皆さん偉いなぁと思うのですが、現段階でしっかり前を向いています。後悔「だけ」をするのではなく、反省や贖罪に昇華させようと努力しているのが分かります。

 

そのやり方が分からない。迷いや葛藤も伝わってきます。

出所後にうまく社会で生活していけるか、どんな顔をして家族と顔を合わせれば良いか分からない、そのような内容を書く方も居ます。

 

手紙を読み毎回嬉しく思うと同時に、出所してからが本番だよ!と歯がゆく思うことも多いですが、それぞれの受刑者のペースに合わせて(考え方に合わせて)返事を書いています。

 

過去の私は責任転嫁ばかり

 

今の私からは想像つかないかも知れませんが、受刑者になったばかりのころは反省の「は」の字も無く、責任転嫁ばかりしていました。

こんな人間に育てやがって!と両親を恨み、様子がおかしい私を病院へ連れて行こうとしなかった母と夫を恨み、こんなはずじゃなかったと後悔ばかりしていました。

それが夫の「甘やかさない忍耐強い支援」で、今のような考え方に少しずつ変化していきます。

今現在も、「あー、私超小さいなぁ」と思うことがしょっちゅうです。責任転嫁することもあります。

その度に自分の腹に落とし込み、「責任転嫁する時間を短くする」作業をします。

私の経験から具体的に書いていきます。

 

試験に落ちたのは……

 

私はこれまで多くの資格試験に挑戦し躓いているわけですが、一番初めに躓いたのはネイリスト検定2級です。

モデルが何度も自爪を折り、採点がマイナススタートから始まりました。(詳しい経緯は過去ブログ参照、ここでは省きます)

 

私は検定に落ちたことを、このモデルのせいにしていました。

「私の技術には問題はなかった、だってあれだけ練習したんだもん。自爪を折ってきたあのモデルが悪いんだ!」

 

これ、責任転嫁ですよね。あのころの私に思いっきり言ってやりたい。

「そのモデルを選んだの、あんたじゃん」

 

 

選択をしているのは自分

 

私がそのモデルを自分で選んでいる以上、文句など言えない訳です。自爪を折られるのが嫌で困るならば、他のモデルに変えればよかった。

これは夫婦や恋人関係、友人関係でも言えることだと思います。

「私の旦那、浮気ばっかりする」
「俺の彼女、浪費家で貯金をしようとしない」
「友達が全然時間を守らなくて腹が立つ」

その人を選んでいるのは、あなた自身です。

嫌なら離婚すればいい、別れればいい、友達と距離を置く、または付き合いを辞めればいい。

 

出来ない言い訳をするのが人は得意です。もちろん、私も。

 

試験に落ちたのはモデルのせい?他の合格者をよく観察してみると……?

 

私よりも練習時間、練習量が圧倒的に多いことが分かります。そしてネイルスクールの講師からはぐうの音も出ないお言葉をいただきました。

「マイナススタートでもそれをカバーできる技術があれば受かる。湯浅さんにはその技術が足りなかった、つまり練習量が足りないってこと。」

 

…………………………何も言えねぇ……。

 

短時間で気持ちを切り替える努力をする

 

モデルに責任転嫁している期間、長かったです。かなり長かったと思います。
その理由の一つに、一緒に練習してきたスクールの生徒さんがポンポン受かり、先を越されて悔しいという思いがありました。

今だから理解できますが、落ちるべくして落ちたのです。今では落ちたことに感謝しています。
そこから時は流れ、産業カウンセラーの筆記試験。他の受講者は受かっているのに私だけ筆記がなかなか受からない。

落ちた直後は(結果を見た直後は)引きずりますが、ネイルの時より断然早く気持ちの切り替えが出来るようになっています。

 

これは何度も失敗を経験しているから出来ること。

挫折や失敗から学ぶこと、たくさんあると思います。

 

過去を振り返るのは難しい

 

受刑者の手紙に話を戻します。皆さん本当に素晴らしい内容です。

職業訓練に受かるために頑張る!
外に出たら人にされて嫌なことはしない!
早く働いて家族に恩返しをする!
迷惑をかけた人たちに認めてもらえるよう努力する!

 

書いてある内容はとっても前向きです。刑務所と言う場所で前向きになれること自体、奇跡だと私は思っています。

その中で、〝自分の何が悪くて刑務所に来てしまったか〟を書いている人は少ないと感じています。

 

悪いことをしたから来た、というのは当たり前の答え。そうではなく、

・なぜ犯罪を犯したか、その理由
・犯罪を犯したきっかけ

 

この二つを含め、自分自身を徹底的に掘り下げている人はまだ居ません。

 

そんなの必要ないでしょ?
いえ、絶対に必要です。

 

 

犯罪を犯した理由を理解できなければ、また同じ道へ進んでしまう可能性がある。
・きっかけを知ることで、「きっかけを作らない工夫」が出来るようになる。

 

私で例えます。

嫌なことを全力で投げ出した結果、薬物やギャンブルへ逃げることになり、向精神薬の飲み過ぎで連続窃盗を繰り返します。

 

だからまず、「嫌なことを投げ出さない」努力をする。

 

生きていれば嫌なことは絶対にあります。高すぎる目標設定をしないのも「きっかけを作らない工夫」になります。

 

高すぎる目標設定は、自らを追い込みやがて自滅します。自分の身の丈を知るって、本当に大切なことなのです。

 

人と関わりながら生きていく以上、人間関係を円滑にする方が生きやすいと思います。

だからと言って無理して嫌いな人と付き合う必要はない。これは「嫌なことを作らない」にも繋がります。

 

来週金曜日に続きます。

 

前科者座談会、第3回開催

 

元受刑者、前科者にしか分からない悩みがあるなと痛感します。就職の際に前科を明かすか、隠すか。出所後に親しくなった人に前科を打ち明けるか。

私自身も皆さんと一緒に悩み、考えます。

座談会は今後も続けて行きます。絶対にこのような場は必要です。

久々の罪友教会

 

明後日25日、年末最後のご挨拶を兼ねて夫と伺う予定です。

 

何かを手に入れる為には、それ相当の代価は必要

 

何かを手に入れるには、それと同等の「努力」が必要です。

 

依存症モンハン部、活動報告

 

回復仲間とモンスターハンター部活。今回は動画を載せてみました。

 

寒くなってきました。皆さまお身体にはくれぐれもお気をつけて。

来週が今年最後のブログです。今年も残り8日、丁寧に過ごして行きたいですね。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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