刑務所や拘置所では「官物」(かんぶつ)と言って、中で生活するのに必要なものは全て支給されます。税金で賄われるものですので、決して質の良いものではありません。刑務所や拘置所で販売されているものは全て「私物」と呼びます。これは定価販売なので、結構高いです。
刑務所で販売されている物が高いなら、外の安いドラッグストアで買ってまとめて刑務所に送ってあげればいいよね!そう思う方もいらっしゃるかも知れませんが、刑務所の売店で販売されている物以外は、基本的に差し入れできません。
その理由は、刑務所の外の人が差し入れ物品に細工をすることが可能になってしまうからです。(極端な例ですが、石鹸に覚せい剤を仕込むなど)
官物と私物を両方持つことはできません。例えば私物でちり紙を持っていたら、官物のちり紙は支給されません。受刑者に言われるがままに差入れしてしまうのはあまり良くないと私は考えます。何故なら“不自由なことも罰”だからです。
差入れ物品は色々ありますが、拘置所や刑務所の売店で販売しているものを依存症子の視点で必要、不要、場合によるに分けます。参考になさってください。
便箋・封筒・切手等の外部交通手段 | ◎ | 1ヶ月に手紙を出せる回数は決まっているので、大量には必要ありません。 |
シャープペン・ボールペン・消しゴム・ノート等の文具 | ◎ | 中で勉強をしたり手紙を書くのに必要です。 |
シャンプー・リンス・石けん | △ | 官物のシャンプーはギシギシし過ぎるので女性にはあっても良いと思います。男性は坊主なので必要ありません。 石鹸の泡立ちが官物と私物で全く違うので、時間短縮の意味ではあった方がいいです。(但しミノンは必要ありません) |
生理用品・おりものシート | 〇 | 官物でもナプキンは支給されますが、羽つきのものはありません。寝ている間に漏れますので私物が無難です。 |
綿棒・耳かき | 〇 | 官物では支給されませんのでどちらか1つあるといいです。 |
歯ブラシ、歯ミガキ粉 | 〇 | 歯ブラシは必要ですが、歯ミガキ粉は官物でいいと思います。 |
化粧水・乳液 | 〇 | 化粧水は高くて1,000円しますが、肌が乾燥しやすい人はあった方がいいです。 |
タオル | △ | 体を洗ったり拭いたりするタオルですが官物でも十分です。 |
洗濯石けん・洗濯洗剤 | 〇 | 洗濯の時間は刑務所にもよりますが大体10分~15分程度。短時間で効率良く洗濯するためにあった方がいいです。 |
ベビーパウダー(シッカロール) | △ | 刑務所にはエアコンがありませんので人によっては夏にあせもができてしまう人もいます。そういう人には必要です。 |
ニベア | △ | 乾燥肌の人には必要ですが、官物でも配られます。 |
日焼け止め | △ | 室内で作業をする人には必要ないと思います。 外作業の人には必須です。 |
ホッカイロ | △ | 寒い土地の刑務所に収監されるなら必要です。 |
衣類(下着・メリヤス・靴下等) | × | これらは贅沢品です。官物で十分です。 |
靴・サンダル | × | これらも贅沢品です。官物で十分です。 |
電動うぶ毛処理 | × | こちらも贅沢品です。1か月に1度入浴にあわせて口の上の産毛を剃ることができます。購入しても眉毛などを整えたら懲罰になりますので、全く必要ありません。 |
メガネケース | △ | 外で使っていたものが入る場合とそうでない場合があります。私の場合は金属が入っているケースだったので刑務所内に入りませんでした。メガネは高価なブランド物やべっ甲のものは使えません。 |
ちり紙 | △ | これは私的には贅沢品なんですが、切れ痔やいぼ痔の人にはあった方がいいかも知れません。官物は質感が悪くカサカサしています。 |