今日は、釈放後に依存症外来へ行かなかった理由について書いていきます。
自宅には睡眠薬や精神安定剤がまだ残っていました。
用法用量を守って飲もうと決めても、そこに薬があればまたオーバードーズ(OD)をしてしまいます。また大量に薬を飲み始めれば、留置場で考えたことは頭の片隅に追いやられます。
どうでもいいやとなるのではありません。
このままじゃいけないと思っているけど、何とかしなきゃと思っているけど、自分一人の力で考えたり、行動を起こすことができないのです。
処方薬や一般に販売している薬へ依存をしている場合は、いつでも手に入ってしまうので、自分で止めるのはまず無理だと思います。
アルコールやギャンブル、ニコチンも、禁止されていないものならではの難しさがあります。
依存症者側からすれば、
違法じゃない!
売ってるだろ!
税金払ってるだろ!
何が悪い!
となるのです。
家族は法律で禁止してほしいくらい困っているのに、生活がままならないのに、違法じゃないからいいだろ!って言い分は本当に質が悪いですね。
家族の理解を得る事ができなかったのも理由の一つです。逮捕されること自体が大迷惑な中で、私の思いや願いを聞く余裕は家族にはありません。
それがどんなに前向きな提案だったとしても、正当な理由だったとしても、散々迷惑をかけさせられた家族からすれば、
それは甘えじゃないの?
また嘘をつくんじゃないの?
なんで我慢できないの?
依存症者を責めるような言葉が出てきてしまうのです。
最近では有名人が薬物事犯で捕まると、必ずダルクの方がテレビに出て、依存症の怖さについて説明してくれますよね。
あの頃はまだ依存症という病気がそんなに知られていなかったのもあり、“依存している=甘え”そう家族に思われていました。
薬を飲むのを我慢しなさい、どうして我慢できないの?甘えてるんじゃないの?
こう言われると、自分が本当にダメな人間だと思い込んでしまうのです。
我慢できずに甘えてる人、と聞くと、一般的にどんなイメージを持つでしょう?
当たり前に我慢ができる人からすれば、そんなこともできないの……?となりますね。
やめたくても自分をコントロールできない。やめられない。それが依存症の怖さですが、依存症になったことがない人には全く理解できません。
実際に、夫が依存症を理解し始めるようになったのは、私が刑務所を出所して2、3か月後です。現在も完全に理解はしていないと言います。
これが依存症者と、依存症者の家族が苦悩するところではないかと思います。
依存症者は依存症じゃない人を、依存症者の家族は依存症者を、お互いを理解することがとても難しいのです。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。