Column

就寝後の叫び声

コラム

前回のブログでは栃木刑務所へ移送されたことを書きました。

身体検査を終えて6寮に着いたときには、お昼をとっくに過ぎていました。遅い昼食をとります。累犯から栃木のご飯はまずいと聞いていましたが、朝食を抜いた私にはとても美味しく感じられました。

栃木刑務所の食事はまずくもないしこれといって美味しくもない、普通の食事だったと出所後の私は思っています。立川拘置所の食事がどれも美味しすぎたので、始めのころは何これ……と思ったりしましたが、疲れてお腹が減っていれば、どんな食事でも美味しいと感じられるものです。

受刑者が生活する寮は1寮から6寮まであり、新入の受刑者は全員6寮(3階建ての2階)から生活をスタートします。
後に書いていきますが、6寮の1階には受刑者の中でも刑務官の言うことが理解できなかったり、奇行をするような人が生活しています。

就寝前の睡眠薬がなんだかよく分からない粉薬になりました。

“なんだかよく分からない”というのは、分包されている袋に何の表示もなく、薬剤の名前が分からないのです。そして今まで自分が飲んできたどの睡眠薬とも味が合致しません。

後に雑居で知ることになりますが、睡眠薬を処方されている受刑者全員がこの粉薬を飲んでいました。受刑者同士でなんの薬なの?という話に当然なりますが、出所した今も薬の名前は分からないままです。

就寝の時間になり、環境が変わったから立川に居たときより眠りが浅くなると思っていました。
ちゃんと眠りたい、途中で起きるの嫌だな、そんなことを考えながら目を閉じます。案の定なかなか眠れません。

感覚的に30分くらい経ったと思いますが、どこからか叫び声が聞こえます。巡回する先生の「うるさいよ!」とか「静かにね~」と言う声が聞こえます。

立川には叫ぶ人は居なかった……これが毎日続くのか……。

立川拘置所でも変わった人は居ましたが、それを上回る人がここには存在する。拘置所から刑務所へ移送されたその日の夜に、こんなことを思い知らされるとは……。

他の受刑者と自分は違う、そう考えていたころもありましたが、自分が相当ヤバい場所に居るということを、この夜に痛感しました。

そしてこの場所に二度と戻らない、戻ってたまるか!と改めて心に刻んだ日でもあります。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

PAGE TOP