Column

学力テストとオリエンテーション

拘置所・刑務所

前回のブログでは、紙をちぎる作業が意外と辛かったこと、訓練工場で集団生活が始まったことを書きました。

訓練工場2日目、学力テストを受けます。
立川拘置所ではIQテストを受けましたが、栃木で受けたのは一般的に使われる漢字の読み書き、計算、文章力のテストです。

隣でテストを受けている受刑者の罪名は暴行傷害で累犯だと言っていましたが、彼女はテスト用紙をサラっと流し見して名前と称呼番号を書くだけでした。
問題が分からないから白紙提出をしたのではなく、こんなの受けても仕方がないから問題を解くことを放棄します、という感じでした。

彼女とは運動の時間に少し話をした程度ですが、受刑することに慣れてしまうと何事にも無気力になってしまうものなのかな、と思いました。

金線と呼ばれる役職の高い刑務官4人のオリエンテーションがありました。その中でも統括の話がとても印象に残っています。

「人生には3つの坂がある。一つは上り坂、一つは下り坂、もう一つは“まさか”。あなたの家族に“まさか”の何かがあったとき、ここから出て駆けつけることはできない。」

大切な人の“まさか”の事態に駆けつけることができない場所に自分が居る。

たくさんの受刑者を見てきた刑務官の言葉は、とても重いです。

オリエンテーションを受けた後のノートです。

↑にはこう書いてあります。

この刑期中に自分を見つめなおす、
弱点を見つけて再犯しないようにすること、
薬に依存することをやめる、
受刑者が世間から守られているということ、
私が犯罪を犯して刑務所へ来たことで家族がどんな思いをしているか、
問題点と打開策、解決策をここで考える、
1度の受刑で終わりにするのか、また来ることになるかは自分次第!

立川拘置所の工場の先生に「刑務所へ行ってからが本番だからね」と言われて送り出されました。
その言葉の意味が何となく分かったような気がしました。そしてその言葉が、先生からの最大限のエールだったんじゃないかと勝手に思っています。

オリエンテーションを終えて考えます。これから正式に工場に配役されれば、もっと大変なことが待っているに違いない。

立川は単独室だったから勉強に集中できたけど、ここではそうはいかないだろう。

人のふり見て我がふり直せ、栃木では立川以上に他の受刑者の観察をしよう。

2度とここに戻らないために、今の自分にできることを精一杯やろう。

私はここで変わってみせる。大丈夫、私ならできる。

オリエンテーションで改めて気を引き締めます。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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