前回のブログでは、自傷行為と自殺未遂を経て今の自分がある、ということを書きました。
洗濯工場に配役されて5日目、髪の毛を切る「調髪願」と、プロテスタントに参加するために「集合教誨受講願」を提出します。
同じ洗濯工場の受刑者に、プロテスタントは歌が歌えて楽しいという話を聞きます。刑務所では歌を歌うことはできないので(大きな声が出せないため)、ストレス発散になるかなと思って願箋を提出しました。
プロテスタントを受けたのは4回だけでしたが、教誨師の方がギターを弾きながらみんなで歌うのは楽しかったです。
この日の洗濯工場は天気が良かったので布団と枕を干します。一度に全受刑者の布団を干すことはできないので、生活する寮ごとに布団干しをやります。
何年も使われた布団や枕は薄っぺらく臭いもそれなりにありますが、一番初めに収監された拘置所と比べれば、栃木刑務所の寝具は全然きれいだったと思います。
洗濯工場で作業をする受刑者の多くは、臨機応変に作業に対応ができる人でした。
このブログを始めた頃に書きましたが、刑務所には字が書けなかったり集団生活が送れないような人も多く存在します。洗濯工場の受刑者は、なんで刑務所に居るんだろう?と思うような人ばかりでした。
書き忘れていましたが、栃木刑務所は外国人も収容しています。洗濯工場にも日本語が上手な中国人とフィリピン人が居ました。
この日の作業を終えたあと頭が痛くなり、二の腕は日焼けで痒くなります。
洗濯工場に配役されて気付いたのですが、どうやら私は紫外線アレルギーのようです。(笑)
洗濯工場に配役されて7日目、居室に戻り夕飯を食べたあと、明日転室するから荷物をまとめておいてと先生に言われます。この居室に来てまだ1週間なのに転室……?
洗濯工場の受刑者は5寮と4寮で生活していたので、きっと4寮に移動するんだねと同室の受刑者に言われます。
ちなみに5寮1階には、炊場や衛生係などの経理係と少数の外国人、1類1種の受刑者、2階には外国人と美容の(美容師免許取得を目指す)受刑者が生活しています。
翌日、私は洗濯工場に配役されてたった1週間で内掃工場に転業します。
今日は出所後に、とてもショックだった出来事を書いて終わりにしようと思います。
仮釈放から7ヶ月後のある夕方、振り込め詐欺で女性の受け子が逮捕というニュースを観ます。
映像で流れた女性は、5寮の廊下を挟んで斜め前で生活していた、Yさんでした。彼女は炊場で私と出所の時期がそんなに変わらなかったはずです。
出所したら児童相談所に預けられている子どもに早く会いたい、いつになったら会えるようになるかなと話をしているのが、私の居室に聞こえてきていました。聞き耳を立てていたわけではないのですが、Yさんの声が大きいので自然に耳に入ってきてしまう感じです。
別の工場なので直接話をすることはできなかったけど、廊下越しに先生の目を盗んで「明日アイス出るよ」とか「集会のおかしは○○だよ」とか、教えてくれるようなお茶目で明るい人でした。
栃木でのYさんの罪名は詐欺、そして今回も詐欺の受け子で逮捕されてしまいました。詐欺は量刑がとても重いです。
Yさんは深く話をしたこともないただの顔見知り程度の人です。でも涙が出てきてしまったんです。
なんで?どうして?あんなに子どもに会いたいって言ってたのに……今度こそやり直すって言ってたのに。
Yさんが出所してから詐欺をするまでに何があったんだろう……。
私だって夫に受け入れられていなかったら、また刑務所へ戻っていたかも知れない。
そんな思いでぐるぐるして、この日はなかなか眠れませんでした。
彼女のような人が、一人でも減るような世の中になってほしい。
今日の私を動かす理由の一つに、Yさんの逮捕があります。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。