Column

部屋の汚さと精神状態

コラム

前回のブログでは、依存症の人は孤独で、孤独な状況がなおさら依存症を悪化させるということを書きました。

今日は私の依存行動が激しかったころの状態について書いていきます。

依存症という病気を知ったのは、拘留中に受けた簡易精神鑑定の時です。
それまで私は自分のことをうつ病だと思っていました。心療内科でそのような診断を受け、精神障がい者手帳3級を持っていたことがあるからです。

刑務所で自分の人生を振り返り、依存症になったのは18歳の時だと判明します。

私は夫と過去のことを定期的に話をするようにしていて、それで喧嘩になることもたまにあります。睡眠薬や精神安定剤の飲み過ぎで、私には逮捕直前の記憶がほとんどありません。

あの頃の私がどのような状態だったかを夫に確認し、“あの頃の私に戻らない”ように客観的に分析することが、今の私には必要な作業なのです。

行動、言動、あらゆるものを逮捕前(依存行動が一番激しいころ)と出所後で比較してもらいます。

夫は出所後の私が掃除をするのを見て、「症子ってここまで徹底的に掃除をするんだ……」と驚いたそうです。

今現在掃除は毎日やります。掃除機をかけてクイックルワイパー、埃に気付けばまた掃除機をかけます。知人を自宅に招くと「症子の家は物がなくていつもキレイだね」と言われます。家に物が溢れるのが嫌なので、必要なものを最低限しか置きません。

現在はそんな私ですが、逮捕直前の部屋はゴミ屋敷さながらで、自分が座るところだけかろうじてスペースがあり、その周りは化粧品、服、バッグ、アクセサリー、飲みかけのペットボトル、ライター、灰皿や煙草のカスで溢れていたそうです……。

そんなゴミの中で生活していたなんて、自分が一番信じられません。

違法薬物への依存が激しい20代前半のころは、部屋の掃除がはかどったと記憶しています。
覚せい剤などの違法薬物が体内に入っている間は色々なものが良く見え、神経質に拍車がかかり、埃などが気になってしまい掃除がはかどるのです。

薬物が切れたときにはその脱力感から、掃除はもちろん食事をとることもお風呂に入ることもしなかったです。

ギャンブルへの依存が激しいころは、自分がほとんどカジノやパチンコ屋に居るので家には帰りませんが、家へ帰っても長時間のギャンブルで疲れ、何もする気が起きずに部屋も片付けることはしなかったです。

窃盗への依存が激しいころは、盗んできたものが家中に散乱していました。これは買い物依存が激しいころも同じで、買ってきた服、アクセサリー、バッグなどタグも取らずに放置してありました。

もうお分かりになると思いますが、依存症や精神疾患に罹ると、部屋の片付けができなくなります。

“片付けができない”と言うよりも、“汚い状況を何とかしようと思わない”と言った方が正しいかもしれません。

元々そんなことはなかったのに片付けができなくなったり、お風呂に入らなくなったり、食事をとらなくなったりしたら、その人の心が疲れているサインです。

私の依存行動は、誰が見ても聞いても逸脱し過ぎていますよね。
それでも自分の変化には気付けないものなのです。自分が“変わったことに気付くこと”が難しいのです。

「あれ?私部屋が汚いかも……」と思ったら少し立ち止まって、自分の変化に目を向けてみてください。

息子さん、娘さん、ご主人、奥様、お友達が部屋を片付けられなくなってきたら、その人を気にかけて観察してみてください。

どんな病気でも早期発見できれば、再起も早いです。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

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