前回のブログでは、資格試験の勉強を通して気付いたこと、無事に試験に合格できたことを書きました。
今日は栃木刑務所での生活に話を戻します。
私は内掃工場という、刑務所の中を比較的自由に歩き回れる作業に就いていました。作業内容は刑務所中の掃除やゴミ捨て、残飯処理、植物の手入れや草むしりなどです。
刑務所では他の工場の受刑者と会話をすることはできません。
入浴や食堂へ行くときは工場ごとに行動するので、「どこの工場にこういう風貌の人が居る」くらいのことしか分かりませんが、刑務所生活が長かったり事情通(?)の受刑者は必ずいて、「あれは○○さんで罪名は○○」とかなり物知りだったりします。それが事実かは分かりませんが。
内掃工場は曜日や時間によって掃除をする場所が変わるのですが、そのときに他の工場の受刑者を見ることがあります。
何度か遭遇したことがありますが、例えば暴れている受刑者がいるときはどのようになるか。
職員が待機している棟がありますが、そこから「そんなに人がいるの!?」というくらいたくさんの刑務官が一斉に出てきて、暴れている受刑者がいる工場まで全速力で駆けつけます。
受刑者が暴れてどうしようもない場合は、刑務官が取り押さえ保護房という場所へ連行します。そこに暴力行為が無かったことを証明するため、ビデオカメラを回す役目の刑務官もいます。
保護房と言うのは自殺などができないようになっている房で、6寮の横に建っています。監視カメラで常に刑務官が見ているので、おかしなことをすればすぐに刑務官が駆けつけます。
上記のようにイレギュラーなことが起こると、内掃工場の受刑者は「一旦作業中止して壁側向いて!」とか「場所移動するよ!」と言われますが、横目でちらっと見たり、大声で叫んでいる人がいればその声は嫌でも耳に入ってきます。
このようなことを実際に見ることができたのも、内掃工場に就業していたからこそだと思います。
栃木刑務所では、集団生活が送れない人は6寮の1階と2階で生活しています。精神疾患を持っていたり刑務官の言うことを聞けない人は、単独室で生活します。その中には摂食障害の人も含まれます。
摂食障害でも普通に生活できる人は雑居で生活しますが、お食事中の人が居たら今はこの先は読まない方がいいです。
一旦食べたものを吐き出し、また食べる人が刑務所には居ます。そういう人は他の受刑者とは一緒に生活出来ないので、6寮の単独室で過ごすことになります。
ガリガリに痩せて自力で歩けない人が、車いすで医務へ行くのを見たことがあります。
医務室の保管庫を掃除すると、メイバランスがまとめて置いてあるのを見つけます。
私はメイバランスという飲料自体をそれまで知りませんでした。内掃工場に配役されたばかりのころはジュースみたいなのがある!と思っていたのですが、どうやら摂食障害の受刑者に与えられていたようです。
そしてこのメイバランスを飲んでは吐いて、吐いては飲んでを繰り返す受刑者もいました。
栃木刑務所には症状の差はあれど、摂食障害の人がたくさんいました。摂食障害とクレプトマニア(窃盗症)が併発しているパターンも多いです。
私は向精神薬への依存から過食へ走り、同時に窃盗を繰り返していました。
私は摂食障害だけだから……、犯罪は犯していないから……、そういう考えは捨てた方がいいと私は思います。
今現在摂食障害で悩んでいる方、そのご家族の方、ご友人、どうか楽観視せず、きちんと専門の病院へ行かれることをお勧めします。
何度も言いますが、私は栃木刑務所で摂食障害の人をたくさん見てきました。
その人たちが何をして刑務所へ来てしまったのか、私には分かりません。
摂食障害の人が何かしらの犯罪を犯したから刑務所に居る。それは事実です。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。
