前回のブログでは、女子受刑者の家庭環境が決して良くないということを書きました。
今日のブログのタイトルは「逮捕されて、本当に良かった」です。
逮捕されてよかった?そんなの綺麗ごとだよね
逮捕されるなんて絶望以外の何物でもないでしょ……
そう思う方が多いかも知れませんが、今の私は心から「逮捕されて本当によかった」と思っています。
その理由を分かりやすく書いていきます。
まず、あのまま逮捕されずにいたらどうなっていたか。私が想像する(想像できる)未来を考えてみます。(遅かれ早かれ逮捕はされていたと思います。)
・自分が依存症という病気だと気付かない
・窃盗、自傷、薬物依存、処方薬依存、ギャンブルを自分の力で止められない
・借金まみれで闇金に手を出す
・孤独に拍車がかかる
・水商売や風俗で働くも歳をとって全く稼げない
・依存症が考える力を奪い無気力になる
・詐欺の受け子、その類いの犯罪に手を染める
・自殺を考えるor自殺する
逮捕直前までの自分の生活を振り返り分析すると、こんな未来しか見えてきません。
このように自分を客観的に分析できるようになったのは、逮捕され刑務所に行ったおかげなのです。
刑務所でたくさんの受刑者を見て、話をしてきました。
絶対に累犯になりたくない、私は二度とここには戻らない!そう固く決意したから今の私が存在します。※累犯→出所後5年以内に刑務所へ戻る人
どうしてそう決意したかですが、「刑務所に戻ってくる人ってこんなにいるんだ……。こんなに不自由で汚い場所になんで戻ってしまうんだろう?」こう思ったことがきっかけです。
「わーい!!刑務所に戻ってこれて嬉しい!」と思う人なんていないと思います。(ごく少数の人を除いて)
なのになぜ累犯が多く存在するのか?不思議ですよね。
累犯にならないために、累犯を徹底的に観察しました。話をしました。
生育環境はどうだったか、どんな幼少期や思春期を過ごしたか、大人になってどんな仕事に就いたか、恋愛や仕事のこと、自分の子どもに対する考え方など、本当に色んなことを聞きました。
その結果、自分との共通点がたくさん見つかりました。……愕然としました。
「わたし、このまま変わらなかったら間違いなく累犯になる。また刑務所へ舞い戻ることになる」そう思ったのです。
累犯に多く見られる特徴を書いていきます。
・依存症は完治しない、だから治療に通うのはムダと諦める
・嫌なことを逃げ出す、投げ出すことが癖になっている○
・一つのことをコツコツ続けられない○
・自分の尻を自分で拭けず、無責任○
・責任転嫁しがち○
・簡単にお金が手に入る職に就いたことがある(水商売・風俗)○
・流されやすい○
・人に嫌われたくないという気持ちが強い○
・生育環境が悪い○
・基本とても優しい
・男性に利用されやすい
この中で私に当てはまるのは○をつけた8つです。
よし、私はこの8つを克服できるように努力してみよう。そう決めます。
克服できるようにするには何をすればいいか?ですが、自分の人生を一つ一つ丁寧に振り返ることです。
私で例えます。
・嫌なことから逃げたり投げ出したりする癖はいつからついてしまったんだろう?
→子供のころに何かから逃げても投げ出しても、親から一切怒られることは無かった。だからこれでいいんだと勘違いしちゃったんだ。
・自分で責任をとれないのはなぜだろう?
→親が何でも尻拭いしてきたから、“いつか誰かが何とかしてくれる”という甘い考えになっちゃったんだ。
上記に書いたのは本当に基本的なことです。ここからもっと深堀して、“依存症子という人間を自分がしっかり理解する”ことが必要になってきます。
私は刑務所で、自分の過去と向き合うという実に辛い作業をじっくりやってきました。
過去と向き合うってとても辛いです。
だって戻れないし変えることは出来ないから。
頭を掻きむしって、大きな声で叫びたくなるなんてしょっちゅうです。「昔の私の馬鹿野郎!なんであんな事をやったんだ!!!」そう後悔しても、過去には戻れない、やり直せない。
でも過去を踏まえて、前を向いて歩くことはできます。
「あの時は投げ出しちゃったけど今回は絶対に投げ出すもんか!」現在そう思えるのは、刑務所での生活があったからこそなんです。
資格試験を受けることも起業も、逮捕されていなければ挑戦しようなんて思わなかったでしょう。
だから依存症子の場合は「逮捕されて本当によかった」、心からそう思うのです。
ここまでのブログを踏まえて、少しTwitterのお話をさせてください。
クレプトマニアの方が窃盗をして、「何とか執行猶予になりますように」と願っているツイートを見たことがあります。
厳しいことを言いますが、こういう人は一度刑務所へ行った方がいいと私は思います。
仮に執行猶予だったとしても、恐らくその人はまた窃盗を繰り返すでしょう。だって本人が痛い目を見ていないから。
以前のブログにも書きましたが、依存症者は甘えたことを言っている場合ではないのです。
自分が依存症だと自覚している人で、本気で依存症を克服したいと願うなら、行動しましょう。
本気で刑務所に戻りたくないと思うなら、大地にしっかりとした根を張り、流されない自分を作っていきましょう。
少しずつ進めればいいのです。
何度も言いますが、他人と比べるのではなく、昔の自分と比べて成長していればそれでいいのです。
※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ「依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりました」の内容を、加筆修正して再掲載したものです。