Column

私の恩人、進藤龍也牧師にお会いしました

毒親、毒母

前回のブログでは、受刑者には家族がどれだけ苦労しているか、辛い思いをしているか、その背景を想像する力が足りないと書きました。刑務所と外の世界では時間の流れ方が違います。外で待つ家族があっという間に過ぎる一日も、中で過ごす受刑者にとってそれはそれは長い一日なのです。

今日のブログは突発更新です。私のことを知らない方に向けて、簡単に自己紹介をします。既にご存知の方は飛ばしてください。(笑)

依存症子の簡単な自己紹介

私は今年42歳の女性で既婚子無し、両親はすでに他界、ひとりっ子、そして元受刑者です。

罪名は窃盗で服役、多数の依存症がクロスしていて、薬物依存症、向精神薬依存、ギャンブル依存症、クレプトマニア、買い物依存症、自傷行為、過食があります。今も依存症当事者として回復中です。

全身に刺青が入り、夏はノースリーブを着れないしスカートも穿けません。夜の世界や風俗で生きてきて、まともな社会生活を送ったことはありません。ヤクザやお金持ちの愛人もやりました。親からはネグレクトに虐待も受けました。アダルトチルドレンでもあります。

今は産業カウンセラー養成講座に通いながら、碧の森というHPを立ち上げ、依存症者や受刑者のご家族の相談に乗る、人生の伴走するという活動をしています。

立川拘置所で聞いた、人生を変える運命の放送

受刑中の立川拘置所で、矯正指導日と呼ばれる勉強をする日がありました。その放送では芸能人の小松政夫さん、ビートきよしさんの録音放送が流れました。内容は「昔苦労したから今がある」、「努力は大切」、「諦めずに頑張ろう」。

私は放送を聞いてイライラしました。

「あんたらみたいな芸能人に、私ら受刑者の、落ちこぼれの気持ちなんか分かるか!努力?頑張る?それが出来ねぇから私はここに居るんですけど?そんなことより、どうやったらマイナス地点から(刑務所から)這い上がれるかを教えろよ!」

こう思いました。受刑者になったことのないヤツに、受刑者の気持ちなんて分かるわけがない。刑務所に来たことのないヤツに、私の気持ちなんて分かるわけがない。

元ヤクザで服役3回の牧師!?

そんなときに、元ヤクザで3回の服役をされている、進藤龍也牧師の講話が流れました。法務省で元受刑者が、元ヤクザが講話をするなんて信じられない!!

録音放送はほんの15分ほどだったと記憶していますが、進藤さんの話は自然と耳に入ってきました。反発など一切なく、受け入れることができました。

なぜだか分かりますか?

彼が私と同じ受刑者だった経験があるから、素直に耳を傾けることが出来たのです。

進藤さんの言葉を信じてみよう。そうすれば私でも変わることができるかも知れない。そんな期待を持ちました。

講話を聞いて6年、出所して今月末で5年

次回のブログで書いて行きますが、出所後に私はいくつかの資格を取りました。多様な人と付き合い、視野が狭まらないように気を付けながら、自分ができることをこつこつとやってきました。

そしてたくさんの人に支えられ、助けられ、アドバイスをいただきながら、碧の森の運営をスタートすることができました。

進藤さんの講話を立川拘置所で聞いていなかったら、私はきっと離婚していたし、間違いなく野垂れ死んでいました。

この想いと感謝を、出所後すぐに伝えに行くこともできました。でも、私はそうしなかった。

昔の私のような人を一人でも減らしたい、私のような子どもを持つご家族の力になりたい。それを実際に実行して、独り立ちしてから進藤さんに堂々と会いに行こう。

そして心からの感謝と、私の成長を伝えよう。

「あなたのおかげで、私はこんな活動ができるほど成長しました」と。

進藤さんの教会には、色々な人がいました

私が進藤さんの教会に伺ったのは、なんと16周年記念礼拝、新会堂2周年という記念すべき日でした。

私は無宗教です。と言うか、初詣に行く程度です。初詣に神社に行くということは無宗教ではないのかも知れませんが、そのあたりの話は置いといて、クリスチャンの方がどんな活動をしているのか、何も知らずに教会へ伺いました。

進藤さんはとても優しい顔で私を迎えてくださいました。初めての礼拝、何をするんだろう?と緊張しながら、教会の中に入ります。教会の中には、明らかに堅気じゃないよね?という見た目の人もいました。老若男女、色々な人がいました。

教会はとてもお洒落で、ぱっと見では教会だとは分かりません。

中にはロフトがあり、そこに逃げて来たヤクザや刑務所帰りの人を寝泊まりさせて、自立まで伴走するそうです。その場を実際に見て、とても考えさせられました。5人に1人、自立できれば御の字なんだそうです。

進藤さんは、幸福度のお話をしてくださいました。ここ本当に教会?というようなブラックジョークも飛び交い、私は終始笑顔でお話を聞くことができました。途中から夫も参加してくれました。

礼拝が終わったあと、私はある方と長く話をしていたのですが、その間に夫の様子を見ると、笑顔で「どう見ても堅気じゃない」人と話をしていました。その方を仮にAさんとしましょう。

私の話が終わって、夫とAさんの話に入っていくと、Aさんはトータルでとてもとても長い受刑生活を送ったそうです。Aさんの手、指が何本かありません。見た目は怖いです。でも笑顔はとっても可愛らしいおじいちゃんです。「進藤先生の聖書は分かりやすいんだよ!」と笑顔でお話されていました。

夫の意外な反応

こんなことを書くと相談者さんが怒るかもしれませんが、夫は碧の森を立ち上げる前に、「症子に相談する人がいるとは思えない、この事業が上手くいくとは到底思えない」と言っていました。

夫ははっきり言って育ちが良いです。と言うか、家族に信頼関係があると信じています。

親と子に信頼があるのが当たり前、家族で支え合うのも当たり前、人を信じるのも普通のこと、悩んだって仕方ないからひたすら進むのみ、自ら人生を切り開いて生きて行く、簡単に説明するとこのような考え方をしています。

私が育った家とは真逆なんですよね。悩んでいる人がいることや、家庭環境が酷い家があることが、理解が出来なかったのでしょう。

症子に相談をしてくる人なんて居るわけがない。例え居ても、そんな悩みを持っている人など極わずかだと思っていたようです。

ですが蓋を開けてみれば、アメブロでコメントをいただく、実際に相談が来る、それに対してとても驚いていた時期があるんです。(今はそんなことはありません。)

進藤さんの教会に一緒に行こう、私の恩人にぜひ会って欲しいとお願いしましたが、始めは乗り気ではありませんでした。「進藤さんは症子の恩人でしょ?」と言う感じ。

そんな他人に無関心な夫が、笑顔でAさんとお話をしているんです。その背中を見て、夫は夫で色々なことを受け入れているんだ、努力しているんだなと感じました。

話し相手になってあげなよ

私は進藤さんにこうお伝えしました。「私はクリスチャンになることはできないかもしれませんが、進藤さんの教会には定期的に足を運びたいと思います」と。

夫にもその旨を伝えようと、帰りの車の中でまず「Aさんとどんなお話をしてたの?」と聞きました。すると夫は笑顔で、「いやぁ、とても刑務所帰りの人だとは思えない、良いおじいちゃんだよ」と言ったのです。

「そっかぁ。私定期的に進藤さんの教会に行こうと思うんだけど、いいかな?」と聞きます。

「もちろんいいよ。行ってAさんの話し相手になってあげなよ。」と言ったのです。

私は驚いてしまいました。あれだけ他人に無関心な夫が、ましてや元とはいえ、ヤクザのAさんに興味を持つなんて、思ってもみなかったのです。

孤独が犯罪を呼ぶ

私も夫も、孤独が依存症悪化や犯罪を犯すきっかけになることを、私の受刑を通して学んでいます。

夫は出所後に多くの人と関わる私を見て、安心している部分があります。人と関わることで決して孤独にはならないからです。

ですが私がおかしな人と付き合えば、あっという間に転落することも分かっています。夫は私が水商売で培ってきた、「人を見抜く力」だけは信頼しているのです。

きっと教会で進藤さんの話を聞いて、夫なりに考えたのでしょう。この場に来ることで救われる人がいるんだ、進藤さんに感謝するなら、その手伝いを症子もすればいいよと。

人との繋がりを持つ、これが再犯を犯さない絶対条件。出所後に孤独になってはいけないのです。かと言って悪い繋がりを持ってはまた元に戻ります。

進藤さんの元に定期的に通っている人は、犯罪を犯すことは無いだろうと私は感じました。

進藤さんへ心からの感謝を

次回教会へ伺う際は、クリスチャン用語で「証」というものをさせていただくことになっています。

教会にいらっしゃる皆さんの前で、更生のきっかけとなったお話をさせていただくことになりそうです。

私はこれから定期的に、進藤さんの教会へ足を運びます。

行動することこそが、進藤さんへの感謝だと考えるからです。

マタイの福音書(下)と保存用のパン、おでんの大根もいただきました。(笑)

聖書を読んだことのない私、次回教会へ伺ったときに、上巻を購入させて頂こうと思います。

 

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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