Column

水戸刑務所の体育館袖で

お知らせ

前回のブログでは、埼玉県さいたま市大宮区で行われた十日市で、中学校の同級生に偶然会ったことを書きました。

先週はブログをお休みしました。YouTubeの動画を3本upしていますが、そのうちの1本、水戸刑務所のクリスマス会について書いていきます。

皆さんお忙しいと思いますが、湯浅の2023年の締め括りに少しお付き合いください。

 

水戸刑務所クリスマス会

 

2023年12月22日(金)、水戸刑務所で行われたクリスマス会で、5分間だけお話しをする機会をいただきました。

犯罪を犯して刑務所に入るのは簡単ですが、元受刑者が正面玄関から刑務所に入るのはとても難しいことです。

水戸刑務所は累犯を収容する男子刑務所で、女性が入るのは難しいです。進藤さんでさえ女子刑務所には入れていません。(累犯→刑務所入所が2回以上)

 

今回クリスマス会でお話しが出来たのは、水戸の教誨師さんたちと進藤さんのおかげです。

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左から川崎満牧師、進藤さん、大塚治美牧師、吉永輝次牧師、私です。
6月23日(金)に水戸教会でお話しをさせていただいたことをきっかけに、今回のクリスマス会のご縁へと繋がりました。

そのときのYouTubeが進藤さんのチャンネルで公開されていますので、ぜひ観ていただければと思います。

 

8年ぶりの刑務所「内」

 

水戸刑務所で講話ができます!人生目標の一つが叶います!という動画を21日にupしたのですが、私は勘違いをしていました。

 

クリスマス会という名前から、プロテスタントを希望している受刑者だけが参加すると勝手に思い込んでいたのです。

スマホをロッカーに預け刑務所内に入ります。金属探知機はありませんでした。(本来はあるそうですが所内に入った人数が多いので省いたのかも?)

ものすごい静けさ。なんでこんなに静かなんだ?と辺りを見回しましたが、工場が稼働していません。なんとこの日は矯正指導日でした。

ながーい廊下をひたすら歩き到着したのは体育館。「えっ、教室じゃなくて体育館なの?そんなに人数居るの?」

進藤さんから「昨日の動画を観て勘違いしてるなと思ったんだけど、クリスマス会は希望者全員が参加できるから今日は100人くらいかな」と言われました。
100人!?そんなに人数が多いと思っていなかった湯浅、緊張します。

 

椅子が等間隔でびっしりと並んでいます。椅子を出すのは栃木刑務所では内掃工場の作業なので、あの椅子も水戸刑務所の内掃さんが並べたのかも知れません。

進藤さんのお話しでは、暴力団の派閥が考慮され右側が○○系で左側が◇◇系と完全に分けられるのだそうです。

分けた間には屈強な刑務官が何人も配置されていました。そういう部分は女子刑務所とは違うなと感じながら、体育館に居た刑務官の数にも圧倒されました。

 

クリスマス会のプログラム

 

クリスマス会のプログラムはこちらです。

元受刑者の方は重々承知かと思いますが、こういったプリント類を配布されても、体育館に置いて居室へ戻らなくてはならないという厳しいルールがあります。

あのとき喋ったヤクザ牧師の名前なんだっけ?と居室で思っても、プリントが手元に無いから調べようがありません。

私は立川拘置所に留め置かれていた際、心に響いた外部講師の言葉があり、その方に出所後お礼を言いたいのでお名前を教えて欲しいと教育担当に申し出ましたが、「刑務所のルールでできないの、気持ちは伝えておくから」と言われ、残念に思いました。

名前を受刑者に教えるのは危険という判断なのでしょうが、何とかならないのかなと思います。

進藤さんの聖書のメッセージ前に与えられた5分、きっちり時間内におさめました。

講話全文はYouTubeにupしていますので、ぜひ観てください。

 

 

進藤さんのメッセージを聞き、舞台袖でメモを取る

 

私は帰りの電車の中でこうX(旧Twitter)にポストしています。

進藤さんのお話しはこれまで教会で何度も聞いてるでしょ?

今更メモを取らなくても……、と思う方がいらっしゃるかも知れません。

進藤さんも私も、水戸刑務所に外部の人間として入り、体育館で講話をしている。
私は進藤さんの講話を立川拘置所で聞いて、人生をやり直せるかも知れないと希望を持った。
私の人生目標が一つ叶った今、原点にしっかり立ち返ろう。この場で聞く講話にも必ず意味がある。

 

こう思ったのです。

私は舞台袖でメモを取りました。立川拘置所に居たときと同じように。

 

メモを取りながら、熱いものが込み上げてきました。涙が流れないようにハンカチでおさえながら、講話に耳を傾けます。

この中の全員にとは言わない、一人でもいい、この講話で社会でやり直せるという希望を持って欲しい、悪縁を断ち切る勇気を持って欲しい。

心からそう願いました。

私には聖書の内容は分かりません。それでも進藤さんが目の前の受刑者に何を伝えたいのか、良く分かりました。

進藤さんの講話の内容を書いていきます。
 

刑務所に入るために産まれてきたわけじゃない!

 

進藤さんの言葉は太字と下線にしています。

 

羊飼いのお話しがありました。
ユダヤ人でありながら、認められなかった
ユダヤ人でありながら、ユダヤ人のコミュニティから排除された

↑は聖書のお話しですが、実社会で置き換えるとこういう事だと思います。

受刑者は出所したら社会から排斥されれます。同じ人間なのに、です。

また犯罪を犯すだろ!?という目で見られる。
どうせ刑務所に戻るだろ?と言われる。

言われ続けることで自己肯定感は下がり、変わることを諦めてしまう。

進藤さんの教会はやり直しの人たちを受け入れられるよう、教会内にロフトがあります。ロフトで進藤さんご夫婦や教会員の方たちと生活を共にし、一人で生活できるように自立と自律を促していきます。

進藤さんのブログから写真をお借りしました。

黄色矢印の部分がロフトになっており、布団を敷いて寝起きできるようになっています。住み込みの間は進藤さんが携帯やスマホを預かりますが、拒む人も多いと聞きます。

 

ここに色んな荷物を持ってくる人はまず続かないそうです。(途中で逃げてしまう)

裸一貫で来れないようでは(悪縁を断ち切る意志が無ければ)、やり直しは難しい。

そして私が一番響いたのは、刑務所に入るために産まれてきたわけじゃない!と言う言葉です。

 

目の前に居る100人近くの受刑者全員、進藤さんも私も含め、刑務所に入るために産まれてきたわけじゃないんです。

この言葉は深く受刑者の心に響いたと思います。

 

 

クリスマス会を終え、2023年を振り返る

 

今年は本当に色々なことが起きました。
仮釈放から7年半、満期から8年が経過し、たくさんの方と出会い、応援をしていただきました。

春にはキャリアコンサルタント国家資格に合格しました。秋からは通信制大学に通い始めました。何歳になっても遅いなんてことはない、何歳から挑戦してもいいのだと、私の活動とともに知っていただけると嬉しいです。

ネットやメディアに取り上げていただく機会が増えました。まさか自分が地上波のニュースに生出演できたなんて、今でも信じられません。

重い腰を上げ、YouTubeを始めました。
とある方からは政見放送のようだと冗談を言われ、ある方からは台本を見ずに目線を上げて喋れと初心者に無理難題を吹っ掛け、それなら台本無しでやってやろうじゃねぇの!と、今は台本無しで撮影しています。(思い当たる方、傷付いているわけではありませんよ!ネタですw)

なごみちゃんと二人三脚で試行錯誤しながら、これからもネットや地上波のニュースでは取り上げにくい問題について、発信ができればと思っています。

新たな出会いがある一方、これまで親しくしていた方で距離を置いた方も居ます。

何歳になっても学ぶことがあり、気付きがあり、一生成長していくものだなと感じています。

今年は私の人生目標が一つ、5分という時間だけれど叶ったことが、一番嬉しい出来事でした。

しかもお話を受けたのが私の誕生日だったという奇跡、最高の誕生日プレゼントになりました。

その様子はこちらでお話ししています。お正月の暇つぶしに観ていただけると嬉しいです。↓

 

最後に、2021年11月05日(金)に書いたブログを貼り付けて終わりにします。

 

こちらに私の人生目標が書かれています。

ハードルは高いですが、少年院・刑務所で講話をすることが第一目標です。こうして更生できている人間が居ること、そして私の周りには真剣に更生しようと努力している人がたくさんいることを、中の人に知ってもらいたいのです。

受刑中から感じていた刑務所の矯正教育への違和感、疑問。

刑務所がやらないなら私がやる!と碧の森を立ち上げ、コツコツ地道な活動を続け、早2年半が過ぎようとしています。

無事に有言実行できたことを、このブログで皆さんにご報告させていただきます。

 

皆さん、良いお年をお迎えください。

来年も碧の森と湯浅静香をどうぞよろしくお願いいたします。

※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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