Column

前科者が社会で生きるには

クレプトマニア

前回と前々回のブログでは、待ち人卒業後にありがちなことを二週に渡って書かせていただきました。

自分と同じ境遇の人がいる、自分だけが辛いんじゃない、そう知ることは勇気や希望になると思います。

私自身、立川拘置所で進藤龍也牧師の講話を聞いて、「こんなクソみたいな自分でもやり直せるかもしれない」と勇気をいただいた一人です。

 

​参考書を買っただけで勉強をした気になる

 

私がこのブログで一貫してお伝えしているのは、行動を起こし続けてほしいと言うことです。

勉強をするのに参考書やテキスト、問題集を買いますよね?

私は参考書を買っただけで勉強をしたような気になってしまう残念なタイプの人間です。(苦笑)

 

当たり前ですが、買っただけでは勉強になりません。

 

参考書を開いて、読んで、問題を解いて、実際に勉強という行動を起こすことで内容が頭に入ります。

私のブログも同様で、読んだだけで理解したような気にならず、実際に行動に起こしていただきたいと思います。

碧の森のHPに依存症者の家族は何処に連絡をすればいいか記載しています。

ぜひ一読していただき、一読するだけでなく電話をする・問い合わせをする・実際に足を運ぶといった行動を起こしてください。

 

公判にはお金をかけるのに、出所後や退院後にお金をかけられないのはなぜ?

 

以前こちらのテーマでブログを書いたことがあります。

少しでも減刑をしたい・自分の主張を聞き入れて欲しいから私選弁護人をつけるのに、出所後のケアになぜお金をかけられないのでしょう。

受刑中に差入れや面会をするお金はあるのに、無理をしてでも捻出しようとするのに、出所後の更生・回復に対してお金をかけないのはなぜでしょう。

依存症の病院も同様です。入院にお金をかけたのに、その後の通院や自助グループへの参加に積極的にならないのはなぜでしょう。

 

湯浅の言ってることは厳しい!うるさい!いちいち細かい!

 

前科者、待ち人さん、待ち人を卒業した皆さんの多くの意見はこれだと思います。

いちいち厳しすぎない?そんなの考えてたら疲れちゃう、もっと肩の力を抜いて楽に生きたっていいじゃん。

分かります。私も出来ることならばそう生きたいです。

楽して生きたい。逃げたい。動くの超面倒。刑務所で罪は償ったんだから堂々と生きたい。依存症や刑法、ハームリダクションのうんちくをあれこれ愚痴りたい。過去をさっさと忘れて今をエンジョイしたい。旦那にあれこれ言われたくない。

皆さん勘違いをされているかもしれませんが、私も上記のように思うことがあります。

じゃあ湯浅が思ったように生きればいいじゃん?好きに生きればいいじゃん!疲れないの??

はい。疲れます。

じゃあ、なんで疲れるような生き方してるの?

 

今の日本が前科者に寛容ではないことを痛感しているからです。

 

社会が前科者を排斥したがることを知っているからです。

何か事件が起これば「一生刑務所へぶち込んどけ!」といった意見が必ず出てきます。

そういう意見を見る度に、この人たちは刑務所がどんな所か全然知らないんだろうなと思います。

一生ぶち込んだとして、その受刑者の衣食住はあなたが支払う税金で賄われるんですよ、と。

被害者、被害者家族、加害者家族への攻撃も酷いです。

自宅や名前、勤務先まで晒られてそれまでの暮らしが一変します。

 

私の意見は決して厳しくないと断言します

 

「今の日本で」前科者が生きるのは本当に難しいことなのです。

私のブログの内容を厳しすぎると思うようでは、社会に出たらすぐに潰れてしまうと思います。

社会から排斥されたくないと少しでも思うならば、犯罪を犯したことのない人以上の努力と忍耐を続ける必要があります。

 

ぬるま湯で前科者や依存症者が「辛いね、嫌だね、これからどうしようね」と自己憐憫に浸る暇があるなら、更生と回復に全力を注いでほしいです。

 

私は本名も顔も出して活動をしています。前科があっても服役しても、私は今を一生懸命生きています。

 

法を犯すという一線を越えてしまった以上、人一倍の努力が必要なのです。

これまで犯罪を一回も犯したことのない人以上の忍耐と努力が、前科者には絶対に必要だと私は考えています。

努力しても報われないことなんてしょっちゅうです。もちろん失敗もします。やったことのない事柄に挑戦するのは苦しいです。

 

泣きます。辛いです。なんで私が……と思うこともあります。

でも絶対に投げ出しません。

コツコツ努力を続ける私の姿を見せることで、国民の皆さんが「こんな元受刑者もいるんだな」と、前科者への偏見が少しでも減ればいいなと思っています。

偏見を0にできないことは分かっています。

私の活動的には0になることが理想ですが、被害者の方が居る以上、少しでも減れば御の字です。

犯罪被害者と加害者の架け橋になることはできないか。

最近はその想いも強く、今後は被害者の方のお話を聞く機会も増えていくと思います。

 

 

厳しさに慣れた方が後々楽です!

 

前科者や依存症者は100%壁にぶち当たります。

予め厳しい環境に慣れておいた方が、問題が起こったとき簡単に心が折れなくなります。

だからこそ、このブログでは「甘やかさない支援、自立・自律ができる支援をしてください」とお伝えしています。

中にはその道で(ヤクザや半グレで)食っていく、と言う方もいらっしゃるでしょう。

一生依存行為を続ける方もいらっしゃるでしょう。

そういう方はそういう方で、我が道を突き進めば良いと思います。

 

 

被害者の方とお話をしました

 

一日一分でいい、被害者のことを考えてほしい。

 

被害者の方がおっしゃったこの言葉で、今日はブログを終わります。

薬物で服役された皆さん。薬物は被害者が居ない犯罪だと言われますが、あなたの家族やパートナー、友人、職場の関係者は被害者です。

私はこの言葉を重く受け止め、考えることをやめず諦めず、これからも進んで行きたいと思います。

後日改めてブログにまとめます。

 

来週はブログをお休みします

 

16日(金)のブログはお休みさせていただきます。

次回更新は23日(金)の予定です。

 

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※この記事は碧の森運営者、依存症子のブログ依存症子 好き放題を続けていたら受刑者になりましたの内容を、加筆修正して再掲載したものです。

最近は多くの方からコメントをいただきます。碧の森のHPをご覧の皆さん、こちらの元記事のアメブロのコメント欄もぜひ参考になさってください。

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